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「そこ、俺の席。どけ」
不機嫌そうに顎でどけ。と合図をするナワーブと余裕そうに頬杖をつき直して足を組むキャンベルさん。その後、マーサさんやエミリーさん、そしてウッズさんも続々とキッチンから出てくる。
「今、Aさんと話してたんだ。明日のゲームで必要なことだよ」
「は？もうゲームに出るのか」
「そう貼りだされてたからね。ったく、血気盛んなやつは嫌だよ」
やれやれと言ったジェスチャーをしてゆったりと席を立つ。そんな彼から割り込むようにナワーブが席に着いた。「わっ」とキャンベルさんはよろけたが関係ないと言いたげにおかずの芋を口に放り投げた。
「またあしたね。Aさん、なんならあとで部屋に来ていいよ〜」
「え、とまたあした！」
調子よく手をヒラヒラとしながら広間を出ていく彼は少しお調子者のように思える。同じように手をヒラヒラと動かして見送った。
「Aのごはんなの！どーぞ！」
ウッズさんが私の目の前にトレイを置いてくれる。白い湯気が満ちる白米と味噌汁。オカズは肉じゃがと焼き魚だ。
「おいしそ……」
「この芋うめぇ、肉もうめぇ」
そう言いながらもすごい速さで箸を動かしているナワーブに苦笑して私もいただきます。と手を合わせた。
「和食ってたまに出るけどすごく美味しくて好きなの〜」
と頬に手を当てながら食べるウッズさん。
「魚の骨が取りずらいのよね」
と言いながら焼き魚を睨むマーサさん。
「……あら、これ美味しい」
綺麗な姿勢で静かに、けれど時々感想を漏らすエミリーさん。
「うめぇ。Aも食ったかよ？うめぇよな」
すごい速さで口に詰め込み、時々私に声をかけるナワーブ。
なんだか、こんな賑やかな食事は本当に久しぶりで嬉しいを超えて涙が出そうになる。
賞金なんてものは二の次にして最低限の生活を求めてやってきた荘園だがこんなに求めてた幸せがあるなんて思わなかった。
ゲームだって大変そうだけれど私の力を最大限に引き出せる場面であることは確実だ。なら、悪くない。
なら、これから私の荘園での生活が本格的に動き出すのだ。
「……ん、とっても美味しい」
それはともかく今日もご飯は美味しかった。
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とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 初コメありがとうございます♪そんなふうに言って貰えたなら本当に嬉しいです。これからも更新していくと思うのでよろしくお願いします！ (2023年3月31日 12時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 更新お疲れ様です！朝からいいもの見れた気がする…。あと初コメでした！応援してます！ (2023年3月31日 7時) (レス) @page37 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年3月31日 5時
