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食事を終え、それに気づいた彼がトレイに皿をまとめて広間へ返してくる。といって部屋を出ていった。
そこまではいい。いいのだが問題は私自身だ。
トイレに行きたいのだ。スープを飲み、食事をし、水を飲んだ。
そりゃあトイレにも行きたくなる。しかし、今の私はどうだ。足の自由が聞かずトイレなんて行けやしない。ベットでぷるぷると震えるだけで限界だ。
しかし、ナワーブに頼るわけに行かないのがまた困ったところ。そうなれば自分でトイレに行くしかない。
先程の反省を生かしそろっと地面に足と手をつく。手の力は断然元気なのでズルズルと足を引きずりながらいけば問題ないだろう。便器についてからはなんてことは後で考えよう。
しかし、ズルズルと動かそうとした時扉が勢いよく開いた。本を片手にトレイを返しに行ったナワーブだ。足をずりながら這いずる私を見て心底呆れたような表情をして先程と同じように私の前で手を広げる。
私は首を横に振るしか出来ず彼はどんどん怪訝そうに眉を顰める。
「なんでたよ」
「なんでもです」
「いや、わかんねーよ」
これでも私は乙女だ。トイレへ行く介護なんて彼にさせようなんて私のプライドが許せない。ぷるぷると震えながら首を振りつづけた。
「なあ、マジで意味わかんねーから。どうしたよ」
しかし、別にトイレに行きたいから通してといえばいいのではないか。
トイレに行ってきます。なんて男女であってもやり取りは変でないだろう。
明らかに様子のおかしい私を彼は訝しげに見つめながらも持ち続けてくれる。
「あ、の。お手洗い……」
小さくぷるぷると震えながら御手洗の扉を指さす。彼はしまったと言わんばかりの表情をして勢いよく立ち上がった。キョロキョロと周りを見渡したあと私を凝視し、一考した後彼は大きな声を上げた。
「わ、悪い！あの！あれだ！マーサ！マーサ呼んでくる！」
そう言って彼はドタバタと部屋を飛び出して行った。半開きの扉に私はポカンとして見つめる。
しかし、ベハムフィールさんはトイレなぞの理由で呼び出されてなんと思うだろう。
なんだか、ものすごく申し訳なくて私はズルズルとトイレまで這いずることにした。
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とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 初コメありがとうございます♪そんなふうに言って貰えたなら本当に嬉しいです。これからも更新していくと思うのでよろしくお願いします！ (2023年3月31日 12時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 更新お疲れ様です！朝からいいもの見れた気がする…。あと初コメでした！応援してます！ (2023年3月31日 7時) (レス) @page37 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年3月31日 5時
