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「あれ、一人一枚って後から知って……エミリー先生とエマに怒られたよ。お前に謝れって」
「あれは、私が考え事して気づかなかったのが悪いので。むしろお詫びというか」
「ふぅん。でも、腹減っただろ。悪かったよ。……ゲームでも、守れなくて悪かった」
おそらく、本題は後者だろう。サベダーさんを含めゲームに参加した三人はリッパーだけでなく自分自身を責めているように見えたから。
まるで謝る必要は見当たらないのだが、守ると言ってくれた彼らだからこれだけ責めてしまうのだろうか。それは良くない。
私が、ただ逃げきれなかっただけなのに。
「気にしないで欲しいって言うのが私の意見なんですけど、きっとサベダーさん達はそれを言うとずっと気にしちゃうと思うので、次のゲームで色々教えてくれたらなかったことにしようと思うんです」
彼はゆっくりと顔を上げる。私はずっと彼を眺めながら話していたので視線が絡み合う。目の表面が薄く膜を張ったように潤んでいるように見えて思わずたじろいでしまう。
「だから、大丈夫です。今日のゲームで分からないこと、いっぱいあったんです」
「あぁ、任せてくれ。なんだって教える」
「ふふ、ありがとうございます」
彼の表情がどんどんと和らいでいくように見える。もっと責められると思っていたのだろうか。そんなことするはずがないのに。
私のアイテムはきっと囮になるべくして与えられたもの。だから助けに手を伸ばしてはならないのだろう。
「A」
「はい？」
突如、名前を呼ばれる。先程までお前、と呼ばれていたような気がするがこの人はこんな風に優しく名前を呼ぶのか。
「ナワーブ、マーサ、イライ、エミリー」
人差し指をそれぞれ指さしながらファーストネームを呼んでいく。そういえば、仲良くなる機会が中々なくてラストネームでしか呼んだことがなかったな、と思う。
「多分、そう呼んでやったら喜ぶぜ。こいつら」
「そ、うなんですかね」
果たして、人を喜ばすというものはそんな簡単なものなんだろうか。
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とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 初コメありがとうございます♪そんなふうに言って貰えたなら本当に嬉しいです。これからも更新していくと思うのでよろしくお願いします！ (2023年3月31日 12時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 更新お疲れ様です！朝からいいもの見れた気がする…。あと初コメでした！応援してます！ (2023年3月31日 7時) (レス) @page37 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年3月31日 5時
