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「A……！」
呼びかけた頃には既に虫の息の彼女と血を含んだ爪をだらんとぶら下げるリッパーがいた。
「吊るなら吊りなさい！私は必ずAを助けるわ！」
彼に向かって大きく声を張り上げるとユラリと大きな体が私に向いた。目には赤い光が宿っていて普段よりも威圧感を持っている。
「必要ありません。もう失血死しています」
「そんなわけない！さっきダウンしたところを見たのよ！」
チャキッと金属音を立てて信号銃を向ける。しかし、彼は逃げたりする様子もなくただ、字面で横たわる彼女を見つめていた。
「今日は彼女の外在人格の調査です。あなたに用はありません。早く逃げなさいな。この娘はきちんと荘園に送ります」
そう言って彼女を横抱きに抱えた。咄嗟に銃を構えるがここで彼女を落とせば今以上のダメージを食らうこととなる。そう考えると引き金を引くことは叶わない。
「、ちゃんと届けてくれるのよね」
「えぇ、勿論」
「私たちは先に出るわ。すぐに、来なさい」
きっとイライはゲート前待機をして、ナワーブはノーワン対策に中間待機してくれているはず。
私は彼女らに背を向けてゲートに向けて走り出した。
勿論、失敗をしたことは何度もあった。
目の前で倒れていく仲間を何度も見たし、それが私の救助ミスで起こったこともあった。
けれど、こんなに手遅れだと思ったことは無い。
こんな屈辱、今までも、これからも、ない。
一つもダメージを受けていないのに体の中がジンジンと痛むような気がする。それは顔を濡らす水分を拭うことすら出来ないほどの痛みだ。
遠目で私の様子がおかしいと気づいたイライとナワーブが駆けつけてくれる。
いつもは強気で高飛車な私だからきっとどう対応すればいいのか困っているのだろう。
嗚咽しか出せない喉はきっともう役に立たない。
ゆっくりと人差し指をゲートに向け、もうこんな場所を出ることを伝えた。
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とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 初コメありがとうございます♪そんなふうに言って貰えたなら本当に嬉しいです。これからも更新していくと思うのでよろしくお願いします！ (2023年3月31日 12時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 更新お疲れ様です！朝からいいもの見れた気がする…。あと初コメでした！応援してます！ (2023年3月31日 7時) (レス) @page37 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年3月31日 5時
