story11 ページ13
私は打ち合わせが終わると
この前綺麗な歌を歌う彼を見つけた
川辺でBGMの制作を行なっていた。
こうでもしないと
また考えてしまいそうだと思った。
少し溜息を吐くと
隣からすっとパンを差し出されて驚いた。
『こんな時間まで此処にいちゃ危ないよ〜』
ふっと横を見ると
笑顔の…怪しい人!?
「あ、いや、困ってないので…失礼します」
待ってよ、と
半ば強引に引き留められてしまう。
いや、怪しいでしょ!!
この時間になるまで
気付かずに作業してた私も悪いけど!
と、後悔していた。
月雲:僕はツクモプロダクションの
次期社長の月雲了だよー
ぜーんぜん怪しくないから安心して
いや、もうその言い方が怪しい。
お願いだから帰らせて欲しい。
月雲:君は棗だったよねぇ?
新手のナンパ?
それともよくあるSNSのトラブル的な!?
いや、私そもそもLIMEしか…。
と、話を聞かず悶々とする。
月雲:巳波の行方、知りたくないの?
「何ですか、それは。」
少し動揺した。
でもみなみ、って人なんてきっと
何処にでもいるはず。
この人が巳波のことを知ってるとか
より怪しすぎる。
月雲:棗巳波、双子の姉と弟と
両親の都合で生き別れになりました。
可哀想な可哀想な双子の物語。
「よく出来たフィクションですね」
双子の弟がいて
同じ名前だなんて
この世界探しても凄く絞られてしまうはず。
月雲:姉は可哀想に事務所に捨てられて
弟は健気にそんな姉を探し続けている。
あぁ___なんて哀れなんでしょう。
彼らはもう会うこともなく死んでいく。
めでたしめでたし、ちゃんちゃん。
この人は巳波の
何を知っているって言うのだろうか。
それに、事務所の状況まで。
月雲:気が向いたら遊びにおいでよ
うちの事務所に、ね。
そう言って彼は
ツクモプロダクション 代表取締役 月雲了
と書かれた名刺を渡した後、
夜の闇へと消えて行った。
確か、ツクモプロダクションも
シャイニング事務所と並ぶような
大手の事務所だったはず。
いやでも
怪しい集団にしか
見えなくなってきたけど。
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心春 - 面白かったです!!続きがものすごく気になります・・・ (2022年1月6日 18時) (レス) @page26 id: ad162a1f84 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 続きが滅茶苦茶気になる… (2020年7月21日 6時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
阿形 - めちゃくちゃ面白いです!更新楽しみに待ってます (2018年9月21日 8時) (レス) id: 4dcb764218 (このIDを非表示/違反報告)
阿形 - 更新待ってます。 (2018年7月28日 3時) (レス) id: 6161758089 (このIDを非表示/違反報告)
日蘭莉(プロフ) - いちごぱっふぇさん» こちらこそ。更新頑張ってください (2017年9月1日 15時) (レス) id: 60bb255aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごぱっふぇ | 作者ホームページ:https://rvpf-ichigo.amebaownd.com/
作成日時:2017年7月13日 11時