コードネーム。(夢主sideに戻る) ページ22
ここへ来てから2週間が経とうとしていた。
死柄木弔とはあれ以来何もない。
それどころか、会話が激減してしまった。
何かしただろうか、と心に問う。
「やっぱり、アタシが餓鬼にしか見えないってことか」
けれど最近思う。
死柄木弔の方が精神年齢が低いのではないか、と。
気に入らないことがあればキレる、物を壊す、周りに当たり散らす。
あんなに妖艶で素敵な人と思っていたのに、少し可愛いと思ってしまう自分。
もしかしてアタシ性格丸くなった？
きっとそれはヴィランの中にいるせい。
「おい」
突然、死柄木弔が口を開いた。
「オールマイトが…弱ってるらしい。だから近々襲撃を開始する」
そんなことを言いながら彼は紙とペンを持って作戦を伝える。
ペンの持ち方が変だ。それも彼の個性の影響によるものだろう。
汚い字。ひらがなばっかり。そして変な絵。
クスリ、と笑ってしまう。
少しだけイタズラしてみたくなった。
「ねえ弔君」
「なに？」
「それ…なんて読むの？」
「は？見たらわかるだろ」
「ごめんなさいアタシには暗号にしか見えないのだけれど…黒霧さんとの2人だけの暗号？」
我ながら素晴らしい演技ね。
キョトンとした顔が彼には効いたらしい。
みるみる彼の顔が歪んでいき、「ぶっ壊すぞ」と言われた。
真っ赤な目…
じっと見つめられるのが久しぶりでトクン、と一回心臓が跳ねる。
あぁ、これが純愛かぁ…
なんて思いながら死柄木弔の作戦を聞いていた。
やっぱりこの人頭いい。
とりあえずカリキュラムを奪うってあたりが大人なんだなぁって思ってしまう。
感心して頷いていると「業」と名前を呼ばれた。
「何？」
「お前…叢雲業って本名だろ？」
「えぇ」
「それはバレたらまずい。お前一斉個性カウンセリング受けてるんだろ？」
「そうね」
「ならこれをつけろ、そして偽名を使え」
そう言って死柄木弔が取り出したのは仮面。
顔の半分、右目が隠れるような真っ黒な仮面。
「それから、コードネームが必要だろ」
「考えるとどうしてもダサくなるような気がするんだけれど…」
「なら俺がつけよう！」
目をキラキラ輝かせてアタシのコードネーム的なものの案を紙につらつらと並べていく。
「どれがいい？」
どれを見てもダサい。中二病を拗らせているような名前。
それでも、死柄木弔がアタシのために考えてくれたんだと思うと嬉しくて１つ選んだ。
「エリニュス」
死柄木弔はアタシを見つめてそう呼んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JACK(プロフ) - 梨杏@ウオタミさん» コメントありがとうございます！！夢主との関係上個人的には20〜22あたりまでであってほしいと思っています！頑張りますありがとうございます！ (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
梨杏@ウオタミ(プロフ) - 弔さんの年齢気になりますよね！！更新頑張ってください！待ってます。 (2017年6月10日 19時) (レス) id: 91efdc15d9 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - RYEHLさん» ありがとうございます！その言葉すごく嬉しいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2017年6月4日 17時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
RYEHL(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください(￣▽￣) (2017年6月4日 17時) (レス) id: 6917c8daac (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - あのちゃむさん» ありがとうございます。弔さん口調が定まりませんが頑張ります！ (2017年6月3日 18時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
