【ＲＫＲＮ】君がため【尾浜勘右衛門】

を ページ12

いじめの引き金となったのは、あたしの親が亡くなったこと。

“あの日”手紙が届き、あたしは瀬尾と言う姓から、伯母の家に引き取られることで、七瀬と言う姓を得た。


それが、あたしの人生の別れ道で、めめちゃんの『ごめんね』。




その後、あたしは一瞬油断した追っ手をめめちゃんと同じ所に、今度は突き落とした。


めめちゃんの『ごめんね』と、追っ手の断末魔が耳の奥で擦れあって、混ざっていく。



そのまま、あたしは自分で自分のしたことが怖くて堪らなくなって、学園へと逃げ帰った。

今思えば＿＿本当に＿＿本当に、情けない。
プロになればそんなこと、山ほどあるだろうに。


学園に戻って一番に会ったのは、一年は組の猪名寺乱太郎だった。

まず最初にあたしの怪我の心配をして、医務室に連れて行かれた。
手当てをしてくださったのは善法寺先輩で、消毒液がよく染みたのを覚えている。医務室には、三反田数馬もいた。

当番ではなかったらしい乱太郎が部屋に戻ってから、二人にめめちゃんと一緒ではない理由を聞かれて全部話した。


後から三反田が学園長先生を呼んでくれて、同じ話をした。

何度も何度も、涙を拭った。


学園長先生は優しくて。

自分はまだまだ子供で、大人に守られて生きている、という事を実感した。

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