45話 ページ47
「……放課後、寺子屋に遅くまで残っているとね、赤い着物を着た女がいるんですって。何してんだって聞くと――」
皆、新八さんの話に耳を傾けていました。先程まであれ程煽っていた銀さんでさえも。ごくり。固唾を飲んで、その後の展開を待つ。
――ギャアアアアアアア!!!!
しかし、その後の展開を知る事は叶いませんでした。突然の悲鳴。これは厠に行ったはずの近藤さんのものでした。
皆急いで、厠の方へと向かいます。厠の個室の外では、神楽さんがドアをノックしながら近藤さんに呼び掛けていました。
「ゴリラどうしたアル、チャックに皮挟んだか!?」
「おいっ、何があった!!」
「ゴリラがチャックに皮挟んだアル」
「っ、どけ!!」
土方さんが神楽さんを押し退けてドアの前まで行くと、思い切り蹴飛ばしました。すると衝撃で内鍵が壊れたのか、ドアが開きます。
ギイィ、と古びた音を立てながらゆっくりと開く扉。近藤さんは一体――。
「……どーしてそーなんの」
何故か、頭を便器に突っ込んでいました。
失礼ですが、その……え、衛生的によろしくない絵面になってしまっています。頭隠して尻隠さずとは言いますが、いくら何でも便器に頭を隠さなくても。
それはともかく、土方さんと沖田さんが近藤さんを引き抜いて、急いでお部屋まで運びました。顔を拭き、寝間着に着替えさせ、布団を敷いて寝かせます。
「うッ……あ、赤い着物の女が来るゥ……!!」
彼も例外ではなく、あの女性を見たそうで……他の方々同様、魘されています。悪夢の中で追い払おうとしているのか、手をバタバタとさせている近藤さん。
『これは本格的に不味いのではありませんか?』
「真選組局長までとなるとな……頼む、この事は内密にしてほしい」
万事屋さん一行に、そう頼み込む土方さん。町と市民を守る警察が、心霊如きに半壊させられてると知られれば面目丸潰れなのでしょう。
流石の万事屋さんも煽る気はないらしく、適当に返事をして撤収すると仰りました。さて、これからどうするべきか……そう考えた時でした。
「あの……銀さん、これ何ですか」
「何って、おめーらが怖くねーようにだな」
「銀ちゃんの手、汗ばんでて気持ち悪いアル」
銀さんが、新八さんと神楽さんの手を握っていたのです。更にその手は汗で湿っているとの事。
――銀さんったら、もしかして。
107人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【銀魂 夢小説】訳アリ人妻は拾われる。参【桂小太郎寄り・微逆ハー】
【短編集】恋のうたを聞きながら vol.2【ジョジョの奇妙な冒険】
もっと見る
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
復活のU(うp主)(プロフ) - これ桂さんオチの夢小説だけど、他キャラとの裏短編集とか作りたいとかぼちぼち思ってます。決して上手くはないんだけど、助平だから裏要素満点なの書きたくなっちゃう。 (2017年8月31日 23時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - セルフツッコミしてしまいますが、春雨初登場時ってエリザベスいなかった気がする……ご都合主義という事で、多少の原作との食い違いなどはスルーして下さると嬉しいです(汗)これからもよろしくお願い致します。 (2017年8月28日 14時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うp主@
作成日時:2017年8月19日 23時