【銀魂 夢小説】訳アリ人妻は拾われる。【桂小太郎寄り・微逆ハー】

14話　神楽視点 ページ15

「んごご、うんまいアルなこの饅頭」

「神楽ちゃん、行儀悪いから口に入れたまま喋らないの」



Aが出してくれた饅頭美味いアル、しかも中身こしあんネ。饅頭を食べ尽くし、ごくりごくりと麦茶も飲み干した。

やる事もなくなって暇を持て余したので、それとなく客間をキョロキョロと見回してみる。……お、これは何アルか？

茶色い箪笥の上に立ててある数個の写真立てが目に入ったネ。写真立てに飾られているのは、Aと茶髪の男。仲良さそうに肩を並べてるアル。

二人共、手に指輪は嵌めてない。って事は、この写真は結婚する前のものなのかもしれないヨ。



「んあ？ 何見てんだ、神楽」

「銀ちゃん見て見て、多分こいつAの旦那アル」

「お、写真か。つーかお前、こんなとこ見るたぁ目ざといねぇ」



とか言いつつ、銀ちゃんも写真まじまじ見てるアルヨ。人の事言えないネ。

そういえばA、いろいろあって家出してる言ってた。あの時は「色々」で片付けられちゃったけど、もしかしてこの旦那が原因だったりするかもしれないネ。

女は大変アルな〜……。男は所詮、仕切りたがる生き物アルヨ。結婚が人生の墓場言うのも納得ネ。



『ごめんなさい、お待たせしました。準備と少し着替えてきたので遅くなってしまいました』



なんてしているうちに、Aが準備を終わらせてきたアル。さっきまで着物を着ていたけど、ラフな黒い半袖のTシャツとジーンズに着替えてた。

ハッとした顔をすると、私の方に歩み寄って来て、写真立てを静かに伏せてしまったネ。



「もしかして見ちゃいけないものだったアルか？」

『いえ、そうではないのですが……いつまでも飾っているなんて、未練がましいなって自分で思ってしまって』



そう言って笑ってみせたけど、心から笑えてなかったヨ。無理して笑ってほしくないネ……とっても悲しそうな顔してたら、幸せが逃げちゃうアル。

どうにかして、Aを心から笑わせる事ができないアルか？

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