10話 新八視点 ページ11
『あの、何か私に出来る事はありませんか?』
万事屋に来て早々、そんな事を言い出した加茂さん。僕らからしたらお客様の立場で、こちらがもてなすのが常識。
でも銀さんは至って通常運転……やっぱ銀さんの方針、社会的におかしいでしょ。今に始まった事じゃないけど。
「つってもなー、今日特に依頼も入ってねーし。あっ新八、俺の布団畳んどいて」
「布団くらい自分でしまって下さいよ! 僕だってやる事あるんですから」
「やる事って言っても家事だろォ? ついでにやればヨロシ」
「何もしないくせに口だけは達者ですよねアンタら!!」
あーもう、確かに銀さんや神楽ちゃんが散らかすから僕が片付けてるけど、別に好きでやってる訳じゃないんだよ!!
なんて口喧嘩、いつもの事だからもう諦めましたけどね……この人達はご褒美でもない限り動かない現金な人達ですから。自分から白旗を上げるのがテンプレと化しています。
はぁ、と溜め息をついて寝室へと向かう。
『あの、新八さん。私でよろしければ、お手伝いしてもよろしいですか?』
「えっ、そんな! お客様なんですからゆっくりしてて下さい!」
『お世話になってしまって申し訳なくって……だ、駄目でしょうか』
ちょっとちょっと、いたたまれないからって客人自ら動いちゃったよ。一度丁重に断ったものの、それでも引き下がらない。うーん、でもお客様にやらせるのは駄目……ですよね。
お、重いものを持たせるとかじゃなければ大丈夫かな? 女性に率先して敷布団持たせる訳にもいかないよね。
「じゃあ、お言葉に甘えて。重たい敷布団とかは僕がやりますから、枕とタオルケットお願いできますか?」
『! はい、分かりました!』
僕が彼女に仕事を与えると、パァッと表情が明るくなった。……何だろう、社畜精神というか、なんか若干見てはいけないものを見たような気分だけど。
家事にはだいぶ慣れてるのか、追加の指示をしなくてもてきぱきと動いてくれた。
『また何かあれば手伝わせて下さい。それと新八さんや銀さん達の事、もっと知りたいです。よろしければお話し、してくれませんか?』
「……は、はい! 勿論です!」
美人な彼女に迫られて、少し狼狽えながらもこんなそう答えると、嬉しそうに表情を明るめた。
まぁいっか、加茂さん嬉しそうだし。そんな綺麗な微笑みを浮かべられたら、誰だって断れないよ。……そこ、僕がチョロいだけとか言わない。
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復活のU(うp主)(プロフ) - これ桂さんオチの夢小説だけど、他キャラとの裏短編集とか作りたいとかぼちぼち思ってます。決して上手くはないんだけど、助平だから裏要素満点なの書きたくなっちゃう。 (2017年8月31日 23時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - セルフツッコミしてしまいますが、春雨初登場時ってエリザベスいなかった気がする……ご都合主義という事で、多少の原作との食い違いなどはスルーして下さると嬉しいです(汗)これからもよろしくお願い致します。 (2017年8月28日 14時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年8月19日 23時