34話―バイト― ページ36
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翌日。早速今日からお仕事です。女中専用の制服はないそうですが、炊飯もやるのでエプロンやマスクを持ってくるようにと言われました。それと、あまり華美な服も駄目なんだとか。
私は普段からジャラジャラ装飾品を付けたり、汚れると困るような綺麗な着物や洋服は持っていませんから心配はないと思うのですが。
門を潜り、正面玄関で靴を脱いで、指定の靴箱に入れさせてもらいました。えっと、まず隊員の皆さんにご挨拶をしなければならないらしく、一度近藤さんの元へ訪れるようにと言われました。
『……結構広いのですね』
大所帯だからか、お屋敷がとっても広いです。えっと、近藤さんの部屋ってどこだったかしら……。
「おーい、加茂さん! こっちだ、こっち!」
『あ、近藤さん!』
早々に迷いかけて不安になっていたところ、彼から声をかけて下さいました。開けた襖から上半身をこちらに覗かせ、ひらひらと手招きをしてくれています。
お邪魔させて頂くと、土方さんと沖田さんもいらっしゃいました。
「改めてきちんと自己紹介させてもらおう。俺は真選組局長の近藤勲だ! これからよろしく頼むぞ!」
「真選組副長、土方十四郎だ。まぁ頑張ってくれや」
……ん、あれ? 副長が二人? えっと、沖田さんが副長だと聞いていたのですが……以前、本人も言っていましたのに。
被るような役職だったかしら? 気になったので、おずおずと軽く手を挙げて聞いてみる事に。
『あの、すみません……私、沖田さんから自分が副長だと聞いていたのですが』
「総悟ォォォ!! 俺の知らねぇところで嘘吹き込むんじゃねぇ!!」
「良いじゃねぇですかィ、どうせそのうち実現すんだから」
「不穏な事言ってんじゃねぇ!!」
どうやら間違っていたようです。全くもう。上司から怒られているというのに、平然としています。何と言いますか、飄々としているし掴みどころがないお人ですね。
――そんな乗っけからアクシデントに見舞われながら、私のバイトはスタートしました。
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復活のU(うp主)(プロフ) - これ桂さんオチの夢小説だけど、他キャラとの裏短編集とか作りたいとかぼちぼち思ってます。決して上手くはないんだけど、助平だから裏要素満点なの書きたくなっちゃう。 (2017年8月31日 23時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - セルフツッコミしてしまいますが、春雨初登場時ってエリザベスいなかった気がする……ご都合主義という事で、多少の原作との食い違いなどはスルーして下さると嬉しいです(汗)これからもよろしくお願い致します。 (2017年8月28日 14時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年8月19日 23時