【銀魂 夢小説】訳アリ人妻は拾われる。【桂小太郎寄り・微逆ハー】

32話 ページ33

「はい、つきやした」

『えっと……ここは？』



連れて来られたのは、木造の塀に囲まれた広大な長屋のような建物。目の前に聳え立っている門には、「真選組屯所」と書かれたプレートが掛けられています。



「見ての通り、真選組の屯所でさァ」

『良い所ってここですか？ でも真選組って男所帯じゃ』

「そうですぜ。で、うちで女中やりやせんか」



女中とは、家庭や旅館などで住み込みで働く女性の事ですね。

しかし、凄く迷いどころです。桂さんに聞いたら問答無用で拒否されそうですが。私は仮にも攘夷志士。それなのに真選組で働くなんて、バレた日にはどうなる事やら。

……と、とりあえず、雇用条件やら待遇を聞いてからじっくり考えましょう。



『雇用条件と待遇によります』

「条件は家事全般が出来る人。時給1200円、シフトは日勤と夜勤の二つから選べやす。労働時間は9時間、間に1時間の休憩あり。休憩時間分も時給発生。今は空き部屋があるんで、住み込みも可。給料は10日締めか日給制か選択可能ですぜ」

『その話乗ります!!』



あまりバイトをしてこなかったので他のと比べようはありませんが、中々良い条件なのではないでしょうか。

しかも時給が1200円で休憩時間中も時給発生となれば、一日で1万は稼げます。ただ、休憩時間込みで考えると少し基準より拘束時間が長い気がします。その分羽振りが良いのですが。

業務内容についてもお伺いしましたが、基本的に共同スペースの清掃と朝晩のご飯の提供、隊士さんの手の回らない服などの洗濯だそうです。




「決まりですねィ。そんじゃ、今から面接といきましょーや」

『い、今からですか？』

「ん？ 駄目でしたかィ？」

『ああ、いえ……給与振込していただく為の通帳とか持ってないんですけど、大丈夫ですか？』

「あー……ま、大丈夫大丈夫」



え、もしかして今の独断だったんですか？ 上の方々に聞いて判断しないと、後で面倒な事になりそうですが……それに、少し強引な気も……いえ、まあ良いでしょう。

沖田さんに連れられ、真選組屯所の敷地へと足を踏み入れました。

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