28話―挨拶― ページ29
「A殿、少し良いか」
『はい? 何でしょうか』
春雨の一件から数日後。何事もない平和な日常を送っていました。攘夷志士としてそれはどうなのか、なんて言ってはいけませんよ。
攘夷志士だって、毎日ドンパチやっていては疲れると思うのです。こうやって何もせず、家でのんびりするのも大切な事です。
私が食器を洗っていると、桂さんから声をかけられたので、手は動かしたまま返事のみしました。
「随分と遅くなったが、俺の仲間達に貴殿を紹介しようと思ってな」
『あ、そういえばご挨拶まだでしたね』
ただ心配なのが、攘夷志士は屈強なお侍さんばかりですから、女の私が受け入れられるかどうか……頭領である桂さん直々の招き入れですが、正直力を見込まれた訳ではありませんから。
「なので今日、収集をかけておいた。早速行くぞ」
『あら、ここでやる訳ではないのですか?』
「ああ、また別にアジトがある。案ずるな、今日はミーティングではないからな、長時間拘束しない」
「では行くぞ」と羽織物を羽織って出かける準備を早々に整えました。エリーさんも準備万端なようです。
私も急いで残りの洗い物を洗って、外着に着替えました。着物ではなく、動きやすい洋服です。Tシャツにジーパン。
家を出て数分くらい歩くと、一軒の長屋が見えました。彼曰く、ここだそうで。結構拠点から距離近いけど、大丈夫なんでしょうか? 玄関の引き戸を開け、靴を脱いで上がり、またすぐそこにある襖を開けました。
「桂さん、エリザベスさん! お疲れ様です!」
「桂さん! んまい棒のコーンポタージュ味持ってきました!」
「何だ、もう集まっていたのか」
そこは大広間になっていて、数十人もの志士の方達が既にいらっしゃっていました。好奇の視線を四方八方から受けます。見知らない私を見たら当然と言えば当然です。
桂さんとエリーさんは、私を連れて志士の皆さんの前に立ち、各々喋る皆さんに制止を掛けました。
「ハイ静かにー。今からお前達に新たな同志を紹介しよう。さ、自己紹介して」
『はい。初めまして。ご挨拶遅れてしまいましたが、少し前から活動させて頂いています、加茂Aと申します』
「よろしくお願い致します」と、皆さんに深々と頭を下げました。
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復活のU(うp主)(プロフ) - これ桂さんオチの夢小説だけど、他キャラとの裏短編集とか作りたいとかぼちぼち思ってます。決して上手くはないんだけど、助平だから裏要素満点なの書きたくなっちゃう。 (2017年8月31日 23時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - セルフツッコミしてしまいますが、春雨初登場時ってエリザベスいなかった気がする……ご都合主義という事で、多少の原作との食い違いなどはスルーして下さると嬉しいです(汗)これからもよろしくお願い致します。 (2017年8月28日 14時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年8月19日 23時