79話 ページ36
只今深夜1時を過ぎようとしています
私は今非常に困っていた。
『…どうしよ…眠れない』
年に数回、悪夢を見る事がある。起きた時に内容は全て忘れてしまうが、恐怖は強烈に頭に残っていてしばらく寝り直す事ができない
頬を伝う冷や汗を手で拭った
隣を見るとリコ先輩が静かに寝息を立てている
この歳で恥ずかしながらいつもこんな時は清兄か裕兄のベッドにお邪魔するのだ
しかしよりによって今日は合宿で秀徳も複数人で寝泊まりしているため気軽にお邪魔しに行けない
でもリコ先輩をわざわざ起こせないし…でも1人では怖くて眠れない…
しばらく布団の中で丸くなったのち、枕元にあるスマホを手繰り寄せて電話をかける…相手はもちろん清志お兄様!裕兄と一緒にいる一軍の人達はみんな知らない人だから無理だー
プルルルルとコール音のみ続いた…お願い…出て!
私の祈りが叶ったのか、10回ほど続いたコールの後に「…A?」と寝ぼけた声が聞こえてくる
『き…きよ…』
声が震えて上手く話す事が出来なかった
安堵と先程の悪夢の恐怖から大分参っているみたいだ
しばらく無言の後、私の状態を悟ってくれた清兄は「部屋の前で待ってろ」と言ってくれた為電話を切った後静かに部屋を後にした
「お前なぁ〜」
『…ごめん』
会って早々、溜息と共に私の頭にチョップをかました清兄…
うう…申し訳ない。今日も1日キツイもんね
私がシュンと項垂れると「あーもう、そんなんじゃねぇ」と焦った声を出した清兄は今度は私の頭をワシャワシャかき回した。ボサボサだぁ
「ちげーよ!俺の部屋には高尾や緑間もいるんだぞ、何が悲しくて妹を同室で寝かせなきゃなんねーんだよ。轢くぞ」
あーそーゆ事ですか…清兄らしい
『でも、清兄がこっちの部屋で寝る方が問題でしょ?』
私がそう言うと、うっと言葉を詰まらせた清兄だが諦めたのか「行くぞ!」と秀徳スタメンのいる部屋に歩き出した
『お邪魔しまーす』
小声でそう言い、部屋に入って辺りを見渡すとみんなグッスリ寝入っている
踏まないように気をつけながら布団に入ろうとしている清兄の元へ行き、一緒に潜り込んだ
暑いけど…バレないように布団の中に頭まで沈みこみ、清兄の胸辺りにぎゅーと抱き着く…いつものスタイル。あー落ち着く…
「あちー」
『ごめんごめん』
口では文句を言う清兄だが拒否しない辺りがお兄様の優しさだ
『…おやすみ』
温もりに安堵した私は襲ってくる睡魔に瞼を閉じた
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胡桃(プロフ) - 蘭花さん» ありがとうございます!やっぱり宮地さんはどんな宮地さんでもイケメンですwこれからもなるべく毎日更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2016年9月11日 20時) (レス) id: 7ef098a1e4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭花(プロフ) - とっても面白い作品でいつも見させて頂いてます!宮地さんはシスコンでもイケメンですね!更新頑張ってください! (2016年9月11日 18時) (レス) id: d146509166 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃(プロフ) - ユウさん» ユウ様。コメントありがとうございます。拙い文章ですが完結まで頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします (2016年9月5日 14時) (レス) id: 7ef098a1e4 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 続編おめでとうございます。これからどうなるか楽しみです、更新頑張って下さい。応援してます (2016年9月5日 14時) (レス) id: cb3c3b9b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡桃 | 作成日時:2016年9月2日 11時