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茂夫のパーフェクト超能力教室 ページ13

結局彼女…いや、Aさんの超能力の指導は僕が引き受けることになった

なんでも師匠が言うにはAさんはまだ師匠が教えるレベルに達していないので、僕がまず基礎をAさんに教えるところから始めるのがいいそうだ

「これからよろしくお願いします
えと…」

「A」

「あ、はいっ
………Aさん

僕は影山茂夫っていいます
みんなからはモブって呼ばれてます」

正直下の名前で呼ぶのはためらいがあるけど本人が下の名前を言うものだから僕はそのままAさんと呼ぶことにした

「うん
よろしくお願いします、モブ茂くん」

そう言ってAさんはにこりと微笑んだ
ちなみにモブ茂というのに特に深い意味はないらしい







初めはスプーンを曲げようとすると近くにあった本棚を曲げてしまうほど不器用だったAさんだが、
次第に力をコントロールできるようになって今では無意識に超能力を発動させてしまうこともなくなった

ただしそれは師匠がいるときを除いての話だ


Aさんは師匠が近くにいると超能力が強くなるみたいだ

そしてたまに相談所の物を爆発させてしまう

初めこそは僕も師匠も戸惑ったが今ではもうずいぶん冷静に後片付けができるようになった








「どうしてAさんは師匠がいると超能力をうまく使えなくなっちゃうんだろう」

全く進まない課題を机に開いたまま僕はシャーペンを片手にエクボに聞いてみた

「そりゃ決まってるだろシゲオ
そのAって女は霊幻に惚れてるんだよ」

「え、そうなの?」

確かにAさんは初めて相談所に来たときと比べると最近はすごくお洒落してくるようになったし
師匠と話すときはいつもなんだか嬉しそうに見える
精神は超能力に大きな影響を及ぼすからエクボの言うことはたぶん正しいと思う

「そうか…エクボはすごいね、僕の話を聞いただけでわかるなんて」

「いや普通わかるだろ…」

(Aさんは師匠のことが好きだったのか…Aさんはキレイで優しいから師匠も喜ぶだろうな
僕ももっとツボミちゃんと仲良くなりたいな…)

僕の頭から課題の二文字はとっくに消えてしまった




(しかしあの詐欺師に惚れるなんてAって女利用しやすそうだな…
うまくやりさえすれば体を乗っ取れるかもしれねーな)

「おい、シゲオ!今度俺様にそのAって女を紹介してくれよ」

「いいけど…人の恋愛を邪魔しちゃだめだよ…?」

「あほか、俺様は人間の色恋沙汰に興味なんかねーっつーの!」

彼女が二輪に跨がれば→←Unknown 7



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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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