脇役女子が主人公 (ページ20)

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委員長ページ20

「ごめんね、爆豪くんがデクって言ってるの聞いたから勝手に下の名前で呼んでた」

名字なんだっけ、確か…みどり…？

「あ、デクくん本名とちゃうよ」

「え？違うの？」

「爆豪くんが付けた蔑称だそうだ」

ビシッと手を動かす飯田くん。
うそ、蔑称だったの？？

「え、ごめん！」

「い、いやいや！！最近気に入ってるから！全然！デクで良いよ！！」

「そうなの…？じゃあ私はAで！呼んでね」

「し、下の名前で！？」

反応が面白い。
女子慣れしてないんだろうなあ。

なんか、可愛い。

「うん、呼び捨てね」

「ええ！？」

「よろしくね、デク」

笑ってそう言うと真っ赤になった。
何この可愛い生き物…からかいたくなる。

「あ、て言うかね…響香たち探してるんだけど知らない？」

「八百万くんなら先程あちらで見かけたぞ」

「ほんと？ありがとう飯田くん」

「例には及ばない」

忘れかけてた本題を聞けて飯田くんが教えてくれた場所は歩いた。

雄英人多いなあ…

キョロキョロしながら歩いてると突然大きな音が鳴り始めた。

「警報…？」

『セキュリティ3が突破されました
生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい』

セキュリティ3？？なんのこと？？
放送に首を傾げながらも歩いてると人の波が押し寄せてきた。

「うわあ…っ！？」

何これ何これ！？
体が小さい私は人の波に呑まれて一気に身動き取れない状態へ。

「わっ」

そのまま転んでしまった。
周りの人たちはそれに気付くわけもなく…めちゃくちゃ蹴られる痛い。

「い…ッ！」

しぬしぬ！！
立とうとしても身動き取れない。

「立てるか…！？」

必死に頭を守ってると誰かにグイッと引っ張り上げられた。

そのままその誰かの腕の中。

「あわわ…あ、ありがとうございます」

わりと強めに抱きしめられてテンパった。
抱きしめられたまま流される。

頭守ってくれてる…

そっと顔を見上げるとイケメン。

「皆さん…大丈ー夫！！」

呑気にそんなことを思ってると飯田くんの大きな声が聞こえて流れが止まった。