委員長 ページ19
「A、食堂行こー」
「ごめん先行ってて、プリント出し忘れた！」
響香と八百万さんにそう言って職員室に寄った。
「相澤先生、プリント出すの忘れてました」
「妖花か…提出期限ギリギリだな」
「すみません」
「まあ、一応期限内だから良い」
プリントを受け取った先生。
最初は小汚いと思ったけどだんだんかっこよくみえてきた。しんどい。
「せんせ」
「まだなんか用か？」
「雄英ってピアス良いんですか？」
「そこは"自由"だよ…開けるのか」
ここに来るまでに先輩とすれ違った。
ピアスばちばちの。
可愛いなあ、と思って。
「気になってます」
さすが"自由"が売りの学校。
相澤先生に挨拶して職員室から出た。
「話すの緊張する…」
なんてったってあのお顔ですから。
食堂への道をご機嫌に歩く。
明日も先生と話すネタ考えよ。
「俺の家は代々ヒーロー一家なんだ」
なかなか見つからない響香たちを探してるとクラスメイトを発見。
どこにいるか知らないかなあ、聞いてみよ。
話に割って入るのは申し訳ないのでひと段落するまでキョロキョロしながら待つ。
「上手の緑谷くんが就任するのが正しい！」
「なんか初めて笑ったかもね飯田くん」
「でも飯田くんも一票入ってたよね」
そろそろいいかな？
ちょっと近づくとお茶子ちゃんと目があった。
「うむ…誰が入れてくれたのか分からんが有難い」
「Aちゃん…！」
「え？妖花くんが？」
「あ、違う違うそうじゃなくて…いや、そうなんだけど！」
お茶子ちゃんにこっち来てとジェスチャーされて近寄った。
「投票したのAちゃんだよね」
「え、なにの？」
「委員長の、飯田くんに」
「ああ、それね。そうだよ」
ぴったりだと思ったんだけどなあ。
メガネだし。
「そうか！君だったのか…だが期待に応えられず申し訳ない！」
「ええ、いいよいいよ、飯田くんはデクくんが良いって思ったんだもんね」
「デ…！？」
驚くデクくん。
ああ、名前呼びダメな人なのかな？
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作者名：ちらす
| 作成日時：2021年11月13日 1時
