離したいのに ページ20
.
理不尽な謎の説教を受けた午前
お昼を共にしろとのお達しを受け泉の元へと向かった
のだが
「Aちゃ〜ん!昨日は悪ィ事した…!らしい!」
泉の不機嫌を作った要因1号でもある燐音が私を捕まえた
「天城さん…昨日は漣さんと巴さんが来てくれたのでなんとかなりました
けど、仮にもアイドルなんですから、程々にしなきゃダメですよ」
「だなァ、気ィ付けるわ!」
「嘘くさい…」
「まぁまぁ!ところでこれから昼飯行くんだろ?」
「は!そうだった!私は泉に呼ばれてますので!では!」
遅くなるとまた不機嫌レベルが上がっちゃうのに彼はなんともまぁ図々しい程に
「昨日の詫びって事で、この俺っちが昼飯奢るぜ?」
私の手を離してはくれなかった
「その詫びは漣さんと巴さんに向けてください
私は、」
タイミングが良く私の携帯が鳴って、空いていた片方の手で出ると案の定泉の声がした
ただ、それは一瞬にして燐音の手の中にうつった
「やっほー泉ちゃん
今俺っちAちゃんと一緒なんだよなァ
だから昼は1人で食べてくんない?寂しいなら3人で食おうぜ?」
悪戯に笑う彼は、どうしてか少し冷たい雰囲気で
携帯から聞こえる怒声に冷や汗が垂れた
これ以上は、後が怖い
意を決した私は声を大にした
「りっり、燐音くん…!!
私は泉と2人が良いんです!」
脳内での重要度は当然
泉 〉〉〉燐音
で、火に油を注ぐ油こと燐音を制するには、昨日の反応を見る限りこれしかないと思い行動に移した
じゃないと怖い
案の定
否、案の定以上に燐音は驚きに満ちた表情で、彼の手から私の携帯がポロリと落ちる
落下させまいと持ち前の反射神経で携帯をキャッチした私を絶賛して欲しいが、そんな暇もなく
「泉くん、今すぐ行くから
シナモン?食堂?」
電話を続けた
〈……シナモン、俺も後3分くらいで着くから〉
ただ電話越しでもわかる程に泉はなぜか大人しくなっていて、変に不安が襲ってきた
「泉くん?」
さっきの怒声はいずこ
もはや既に悪い地雷を踏み散らかしたのか私は
〈別に…!喋ってる間にもう着くよ!〉
「ごごごごめんね!じゃあまたあとで!」
通話終了のボタンをタップして燐音を半ば睨む形で見上げるも、彼は心ここにあらず
「天城さん!次泉を挑発するようなことがあったら私は天城さんを無視しますからね!」
「……あ、あぁ
いや、なァ、俺っちのこと燐音ってこれから呼んでくれたら約束する、だから…」
91人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みんじろう(プロフ) - 遥斗さん» 遥斗さん!ご指摘ありがとうございました!全く気づいてませんでした💦すぐ訂正させていただきました!感想もとても嬉しいです(^^) (2022年10月13日 3時) (レス) id: acc7c19a08 (このIDを非表示/違反報告)
遥斗(プロフ) - 面白かったですが、変換二つとも機能してないですよ〜! (2022年10月13日 1時) (レス) id: 2872b3e107 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みんじろう | 作成日時:2022年5月30日 1時