【歌い手】夢のようで、夢じゃない。

story.4／煩い胸の音 ページ5

そしてイベントはあっという間に進んで、いよいよサイン会。


(な、何話せばいいんだろ…)


自分の番まではまだまだあるのに、心臓がうるさい。
なんとなく、参加券を見つめてみるけどドキドキは収まらない。


(ネットでは饒舌だろ、A！)


少し深呼吸をして、相手は人間、相手は人間…と思い込もうとする。

無理だった。

結局、ネットで饒舌な私もリアルではただの非リアコミュ障なのだ。


(ああ神様、一瞬だけでいいので私にコミュ力を与えてくださいまし…！)


そう念じて、もう一度深呼吸をする。
端から見たら変人だろう。だが、多分ともくんは自分の手元か目の前のお客さんを見ていることだろう。ならば問題ない。


(よし！)


いよいよ、自分の番が来た。


◆


「あれ、さっきゲーセンで隣にいた子だよね？」


さっき話すネタに迷っていたのは何だったのだろうか。
まさかの、ともくんからの話題提供。


「あっ、そ、そうです…！」

「鞄にゲコチューのグッズ二つ付いてたからすぐ分かったよ。来てくれてありがとね」


なはは、と笑うともくん。
…この笑顔が、とても可愛くて好きだ。


「あっ、こちらこそ本日はありがとうございました…！次あったら絶対行きます！」

「また来てね〜」


ともくんが、手を振る。
私はペコリと一礼して、ステージの上から降りた。


「…A…？」


彼が小さく私の名を呼んでいたことにも気付かずに。

story.5／地元民→←story.3／圧倒的な実力

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

きょうのオススメ曲

caramel ribbon(P*Light)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す