26話 ページ31
『僕が間に入らなくてもいい関係になって欲しい』
「…」
「雅君…」
Aの言葉は的を射ていた、何かと豪炎寺に反発する染岡を宥めているのがAである中、1年生達が点を必ず決めてくれると頼りにしているのは豪炎寺だった
この現状はとても危うい、只でさえ気にくわないと思っている染岡に後輩達からの信用も豪炎寺に向けられていると言う事に益々染岡の豪炎寺嫌いが加速する
『…少しでも染岡君が変わればいいのにな』
___
「さて、そろそろ…終わりにしてやろうか!テメェら、ゴーストロックだ!」
「「おう!」」
地木流の声に幽谷達が上がって行く
「来たぞ!みんな戻れ!」
風丸が呼び掛けゴールへ向かう雷門イレブン
[さぁ、一斉に上がる尾刈斗中FW!雷門中防げるか!?]
「(後一点取られたら逆転は難しいぞ…負けたらフットボールフロンティアには出場出来ない…)絶対に止めてみせる!」
円堂の決意が固まる
そして放たれたゴーストロックは円堂達の足を止めた、動けない選手達の間をスイスイと通り抜けゴールへ近づいて行く
「くっそ…」
必死に身をよじる円堂の耳に地木流の呪文がふと聞こえた時、Aが言っていた事を思い出す
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『皆が動かなくなったのも呪文を唱え出してからだし、ゴーストロックと呪文…なんだか違和感が残るんだ…』
___
「(呪文…違和感…)」
呪文に違和感を感じていたA
円堂はゆっくりと地木流の唱えていた呪文を復唱した
「まーれ、まーれ、まれとまれ…まーれ、まーれ、まれ、とまれ…止まれ?!そうか、そうだったのか!」
呪文の正体に気付いたが幽谷はもうゴール目の前にいる
「トドメだ!」
「っ!?ゴ、ゴロゴロドッカァァァァン!!」
その場で大声と共に両手を打ち鳴らす円堂、そして幽谷のファントムシュートが放たれた
「(動ける!けど間に合わない!だったら!!)熱血パンチ!」
「な!?」
「何ぃ!」
シュートを新たな必殺技で防いだ円堂に幽谷達は驚きの声を上げる
ボールをしっかりキャッチした円堂へ仲間が集まりだす
「円堂、お前…」
「へへ、見たか!俺の熱血パンチ!」
「あぁ!…じゃなくて!どうして動けたんだよ?」
「風丸さんも動いてるっス」
「壁山、お前も…」
何故いきなり動ける様になったのか疑問に思う風丸達に円堂が話し出す
「分かったんだよゴーストロックの秘密が!コロコロ変わるフォーメーションにグルグルになった頭にあの監督が止まれって暗示を刷り込むんだ!」
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作者名:雨の子 | 作成日時:2019年4月17日 16時