世界は箱庭 (ページ29)

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24話ページ29

部室に入り前半戦で尾刈斗中が行ったゴーストロックについて考えていた

「どうなってるんだ」
「急に足が動かなくなるなんて…」
「や、やっぱり呪いなんじゃ！」

「あの！雅先輩が尾刈斗中の監督が喋っていた呪文が気になるって！」

足が動かなくなる事は呪いだと騒ぐメンバーに音無が声をかける

「そうなのか？A」
『うん…皆が動けなくなったのも呪文を唱え出してからだし、ゴーストロックと呪文…なんだか違和感が残るんだ…』

Aの言葉にそれぞれ頭を捻るが思い当たる所は無い、そこに栗松が話し出す

「あ、あの！後半は雅さんが出るって事は出来ないんでヤンスか？」
『ん？僕？』
「そうですよ！些細な事にも気付ける雅先輩がいればゴーストロックとかの謎も解けるかも！！」
『んー僕を頼ってくれるのは嬉しいけど、この試合は僕抜きでやって貰いたいんだ』
「そ、そんな…」
『それに雷門には強力なFW達がいるじゃないか』

逆転されこれから後半戦が始まると言うのに、肝心の呪いの正体も分からない現状に不安になる1年生達
嫌な流れを変えられるであろうAに試合に出て欲しいと言う宍戸であったが、望む答えは返ってこなかった

「…」
「兎に角、ボールを取ったら直ぐにFWに回してシュートチャンスを作るんだ！まだまだ一点差必ず逆転しょうぜ！頼んだぜ豪炎寺！染岡！」
「おう、任せろ！今度こそ決めてやる」

そして後半戦が始まる

＿＿＿＿＿＿＿
「あ、あの…雅先輩なんで試合に出ないんですか？」
『……なんでだと思う？』
「え？…わ、分かりません」
『そっか…なら、試合を見てれば分かるよ』

ベンチに座り配置に着く選手達を見ながら気になっていた事を音無は聞く、しかしAは教えてくれなかった

ピーーッ

[いよいよ後半のキックオフです！]

「…」
「何してるんだ！！」

豪炎寺はボールを前に出さずに後ろにいる少林へと渡してしまう

「なんでファイヤートルネードを打ちに行かないんだよ！」

円堂からも声が上がる

「闇雲に向かって行っても勝てないまだだ…」
「ちっ！腰抜けめ…少林来い！」

豪炎寺の言葉を無視しボールを持つ少林に声を掛け敵陣に向かおうとする染岡だったが、2人のDFが立ち塞がる

「っ…半田さん！」

その様子を見た少林は半田へとパスを出す

「染岡！」

DFを振り切っていない染岡に向け蹴り出すが当然のようにカットされてしまった