世界は箱庭 (ページ12)

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9話ページ12

寺門の放ったシュートは円堂に当たり戻ってくる。それが引き金になったのか帝国イレブンはゴールに入れる事なくひたすらボールを円堂にぶつける。

「っアイツら」
「ゴールを決める事が目的じゃない！円堂を潰すのが目的」

その光景は誰が見てもサッカーと呼べるモノでは無かった。

「っ！…ふざけるな…こんなの、こんなの！サッカーじゃない！」

帝国に痛めつけられた身体を動かし風丸は円堂とボールの間に身体を割り込ませた。しかし、弱っていた身体では上手く逸らす事が出来ずボールの代わりに風丸がゴールネットを揺らす。

「風丸！風丸っ！！」
「っ…え、んどう…」
「っ！？…お前の気持ち受け止めたぜ」

仲間であり幼馴染の、身を呈してまで守ってくれた事に円堂の目には光が灯る。

「絶対このゴールは守ってみせるっ！」
「ふん！一度として守れてはないが？」

鬼道は円堂の言葉に嘲笑を浮かべ、ボールは寺門に渡り必殺技を叩き込む。

「百烈ショット！」
「このシュート決めさせるもんか！！」

鋭い必殺技を円堂は受け止めたかに思えたが…

［あぁー惜しい！止めたかに見えた円堂、しかしボールのパワーはそれを遥かに超えてゴールの中へ！帝国はこれで19点目！！］

19対0と絶望的な数字を前に傷付いた雷門イレブンは目金を残し皆立ち上がれずにいた。

「あぁ…嫌だ…もうこんなの嫌だ！！」

どうしようもない実力差を前に恐れをなしたのか目金はエースナンバーの10番を豪炎寺の前で脱ぎ捨て逃げ去ってしまった。

「…」
『いいのかい？』
「…」
『僕は豪炎寺君…君がどうしてサッカーを辞めてしまったのか分からないけど、これだけは分かるよ。』
「？」
『君のサッカーが見たいと思う人が居るんじゃないかな？』

豪炎寺はAの言葉に答える事が出来なかった。

「無様だな」
「無理だ」
「お前等には俺達から1点を取る事すらな」

倒れ込んむ円堂に向け鬼道達は辛辣な言葉を投げる。

「ここまでか…」
「奴ら相手じゃ1点取る事も出来ねぇのかよ」
「やっぱ、ダメチームだって事か…」

この試合を見に来ていた生徒達は雷門イレブンの敗北を悟り、諦めの雰囲気を醸し出している。

「まだ…終わってねぇ…まだ！終わってねぇぞ！」
「！」
『それでこそ円堂君だ』

円堂の諦めない言葉に帝国イレブンの攻撃がまた始まる。

「…」

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豪炎寺君と一緒だと名前呼ばれないな…始めの豪炎寺君クール(無口)だしなぁ…