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---サソリsaid
ふと耳にした。自来也に娘がいると。
オレはその話を聞くなり、即そいつに興味を持った。
普通に傀儡を作るのにはもう飽きた。オレが探すのは強い人間。きっと素晴らしい傀儡になるに違いないと。
噂を耳にして数日後、そいつが丁度砂隠れに居るというのが分かり、オレはマントを羽織り、顔が見えないように深くフードを被り、人であふれる街へと溶け込んだ。
そいつは直ぐに見つかった。
誰との間に生まれ落ちたのかは分からないが、自来也の血を色濃く継いでいる事は確かだ。
顔はそこまで似ていないが、髪、目、肌の色はまんま自来也であった。
無意識のうちに口元が三日月のような弧を描いていた。
---オレの傀儡にしてやろう
底の見えないチャクラ量。細いながらもしっかりと鍛えられた体。術のセンスも相当だろう。何より、年に合わない落ち着いた凛とした表情がオレの興味をそそった。あれは何度か修羅場を経験した顔だ。
オレは監視用の傀儡を出現させ、くつくつと喉を鳴らしながら、作戦を立てるため、自身は作業場へと戻った。
行動を起こしたのはその数日後。
自来也がいない時を見計らってオレはあいつに仕掛けた。
奇襲をかけたが、そいつ、確か名前は…。あぁ、そうだAは、少しも動揺せずオレの攻撃を綺麗に交わした。
攻防を繰り返す度口角が吊り上がる。こいつを傀儡にしたらどうなるのだろう。だが…
『い"!!!』
オレはAの腿に毒の滲みたクナイを思い切り突き立てた。するといくらもしないうちにそいつはバタリと倒れた。
確かにこいつは強い。でもまだまだ発展途上。後から狩っても遅くない。
---「お前はオレのものだ」
地に横たわるAの意識が無いと分かりつつそう言い放ち、オレは自来也が近づいてくる気配を感じ、すぐその場を離れた。
今あいつの体に回っているのは特殊な毒。成分量によっていくらでも変えられるが、ある量以上のチャクラが無いと毒に負けてそのまま苦しんで息絶える。あいつのチャクラ量は相当あると見たからかなり強めの、かなりのチャクラ量が必要な毒に調合した。
それから、次もう一度同じ毒が体に回ると神経がやられて完全に体が動かなくなる。つまりその時はオレの傀儡になる時だ。
まぁ、毒に勝とうが勝てまいが酷い苦痛を感じる事には変わりない。
---次会う日までせいぜい頑張ってくれよ
オレのためにな。
俺の赤い髪が深く被ったフードの中で揺れた。
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作者名:きゃおる | 作成日時:2022年9月25日 22時