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---クシナsaid
「ナルトが犠牲になる事ないじゃない!!
私なんかのためにアナタが犠牲になる事ないじゃない!!」
私がそうミナトに言い放った後、かたいもの同士がぶつかり合った音がした後、私たちの近くに独特なを立てて一本のクナイが地面へと落ちた。
私たち二人は向かい合わせていた顔を、クナイが飛んできたと思われる方向に向けた。
今私たちは、外からの干渉を受けないように結界を張っている。つまりクナイが飛んで来るはずがない。
その結界を解き、クナイを放ったその人物を私の瞳が捉えた瞬間、驚いて声を失った。
そこにいたのは自来也先生の娘、Aちゃんがいた。
様々な疑問が同時に押し寄せた。
結界を解いたのは本当にAちゃんなのか。
だとしたらどうしてなのか。
そもそもなぜここにいるのか。
殺気は無かったものの、クナイを投げた理由はなんなのか。
言い出せばきりがない程。
驚きで気が緩み、それに伴って、九尾を縛る鎖がほんの少しだけ緩んだ。
チャリという金属が擦れる音がし、私は我に返った。再び九尾を強く縛るとギロリと大きな鋭い目で私を睨み付けた。しかし、次の瞬間には九尾は獲物を狙うような目でAちゃんを捉えていた。
全身の血が勢いよく流れ出した。
バクバクとなる心臓が痛い。激しい不安と恐怖に心が掻き毟られた。
なんとしてでも九尾を抑える気でいる。でも、そう出来なかった時の想像が、走馬灯のようにして私の網膜に映し出された。
その映像に対し、自分が激しく動揺しているのが自分でも分かった。
「クシナ」
そんな時いミナトの声が私の鼓膜を震わせた。静かだけど、強い声だった。
私に言い聞かせるかのようにミナトは話し始めたけれど、私は納得しきれないままだった。
「息子のためなら死んだっていい…
それは父親でもできる役目だ」
ミナトは一度地面に寝かせたナルトを再び抱き、私の前にしゃがんだ。
未だ首を縦に振らない私に対し、ミナトは睨むようにして私の目を見つめた。
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作者名:きゃおる | 作成日時:2022年9月25日 22時