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『つぅっ……!!!』
背中が強く打ちつけられた痛みで、私は飛んでいた意識をつかみ目を開けた。
ぼやける視界の中に映ったのは巨大な橙色で、私の意識はあっという間にはっきりしたものになった。
これは……九尾??!
私の前には、九つのオレンジ色の尾を広げ、金色の鎖に捕らわれた九尾がいた。
で、でも、私…
岩の下敷きになって…それで……
でも目の前に広がるこの光景は何なんだろう。霊体化してみているのだろうか。でもこの全身に走る痛みは…
自分の記憶を信じるべきか、それとも今目に映るこの光景と感じる体の痛みを信じるべきか。私の頭の中はぐちゃぐちゃで激しく困惑していた。
岩に押し潰されそうになる前、全身がなにか温かいものに包み込まれ、見たことがあるような黄色と白が混ざった光が最後に見えたような気がした。でも絶対にそうだったと言えるほどはっきりしないあやふやな記憶だった。
ぐるぐる頭の中で考えていると、綺麗な赤い髪と大小二つの金髪が見え、自分が生きているのかも分からない状態なのに私は反射的に慌てて駆け寄った。
これが現実でないならそれでもいい。
私は自分が生きていると信じるしかなかった。
---ビビビ!!
『っ…!!!』
しかし、二人のどちらかが張った結界がて私が彼らに近づくことを拒んだ。
その瞬間、体から嫌な汗が吹き出て、背中からにじんだ汗がするりと滑り落ちた。
早く……、早くしないと…!ミナトさんが屍鬼封尽の印を組む前にこの結界を潜り抜けないとミナトさんが……!!
クシナさんに教えてもらえなかったから、こっそり結界を解く方法を図書館で勉強していた。そこにあった本を片っ端から読んで、内容を全て頭に叩き込んだ。
自分で作った結界を解くことなら何度かやった。しかし他人が作ったものはやったことがない。つまり実践はこれがほぼ始めてだ。
でも……
やるしかない!!!
目をつぶり、両手に全神経を集中させ、焦る気持ちを必死に抑え、落ち着け落ち着けと何度も繰り返し自分に言い聞かせた。
やっと結界に小さな穴をあけることが出来、閉じていた目を開けた時、ミナトさんはナルトを地面に置いた。
まさか印を・・・・!!
血が逆流するような感覚が全身に走った。
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作者名:きゃおる | 作成日時:2022年9月25日 22時