トリップしたら自来也の娘に!?【part3】 (ページ18)

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この広い里のどこにいるかなんてわからない。おまけに私はカカシお兄ちゃんがどこに住んでいるかすら知らない。

里はもうぐちゃぐちゃに荒れていて、見慣れた公園も商店街も何もかもが別の姿へと変わり果てていた。

冷静に考えれば見つかるわけがない。

でもとうに熱くなり冷静さを失った私の頭はそんなことにも気づくことが出来なかった。
私を止めにイタチ君が私の名前を呼び、追いかけていることにも。

あちらこちらから聞こえるものが壊れる音が私の頭が痛くなるほど響いた。ビリビリと肌を刺すような音がする度、余計な考えが不安と共に大きな波になって襲い掛かった。

ｰｰｰカカシお兄ちゃんはもう…

あともう一度その音を聞いたら私の心が折れそうになるほど追い詰められた時、私の中から音が消え、時が止まった。

『カカシお兄ちゃん！！』

私の声の先には私が探していた彼がいた。私の声に反応し、十数メートル先にいるその名の持ち主は私の方を振り返り、もあもあと立ち込める砂埃越しに目が合った。
私を取り巻いていた不安が発した声と共に消えていった。

良かった････。ちゃんと生きていた････。

しかしその安心はほんの一瞬だった。

不意に肩の力が抜け、一緒に避難所へ向かおうとカカシお兄ちゃんに一歩足を踏み出そうとした時、目の前に映る状況を理解する前に私の体は動いていた。

地面がえぐれるほど強く蹴り、カカシお兄ちゃんの手を引いた時やっと状況を把握した。

おそらく九尾が暴れた際に破壊された巨大な岩がカカシお兄ちゃんの背後に飛んできていたと。
それを私はとっさに飛び出して･･･。

そこまで理解した私はそのまま更にカカシお兄ちゃんの手を強く引き、そして離した。

このまま私が手を掴んでいたらきっと私と一緒にこの岩の下敷きになってしまうから。

私と完全に位置が入れ替わったカカシお兄ちゃんは、私からどんどん離れていく。いつも睨むように細められているカカシお兄ちゃんの目は大きく開かれていた。