25.静かな夜-01 ページ2
イタチくんと知り合って年が近いということもあってか、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
イタチくんにも忍になるための修行があるからいつもというわけではないけれど、お互い暇なときによく遊ぶほどに。
この前はイタチくんの家に遊びに行った。
その時フガクさんにも会った。あと、イタチくんの家がどこか分からなくてオロオロしていたらシスイお兄ちゃんに“どうかしたか”と声をかけてくれて、そのまま友達(?)になった。
それからサスケが生まれた。
イタチくんの家に遊びにいったときに会わせてもらったけど、それはもう可愛かった。イタチくんは早速溺愛してたし……。
そんな感じで私の身の回りには少しずつ変わってきている。
サスケが生まれてきてくれたことは本当に嬉しい。
でもそれと同時に焦りを感じる。
サスケが生まれたということは、つまりナルトももう少ししたら生まれてくると言うこと。
私が焦る理由。それは私はまだミナトさんとクシナさんを救う方法を見つけていないからだ。
どうしようと焦れば焦るほど思考は働かず、その焦る気持ちが恐怖や不安と混ざってさらに大きくなっていく一方だった。
だからと言って落ち込んでいる暇はなくて、必死に修行を続けた。
今まではクシナさんにバレないように、夜こっそり布団から抜け出して修行することはあまりなかった。
けれど、サスケが生まれてからは毎日ように夜も修行している。
今日も出そうになる欠伸を噛み締めて、いつもの修行場へと足音を立てずに走っていった。
クシナさんが目を覚ましても大丈夫なよう、自分が寝ている場所に影分身を残している。
布団に入っている影分身は今ごろぐっすり寝ているのかと思うとなんだかとても複雑な気持ちになる。
夜の修行場は、昼間と同じ場所なはずなのにどこか異質な雰囲気を漂わせている。
ちょっと不気味で怖いけど今はもうなれてしまった。
さて、と。
はじめますかっ!
Aは眠気を覚ますため両手で頬をぱちんと強めに叩いた後、修行を始めた。
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作者名:きゃおる | 作成日時:2022年9月25日 22時