惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ23)

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盛り盛りスギページ23

『ちょっと、気合入れすぎたかな？』

完成した、6人分のボックスクッキーとクマのカップケーキをずらっと並べて
俯瞰で見つめる。

ラウ君には翌日予定を合わせてもらったから、
バレンタイン当日の明日はそのほか5人に渡せるかな。

クマのカップケーキに、仕上げの顔をチョコペンで書く
どうせなら渡す人の顔にしたいな

『佐久間先輩はー、ちょっと元気な顔にしてっと！』

目黒君に、渡辺君岩本君佐久間先輩とラウ君

そして最後に残った深澤先輩の分

あの人の顔ってどんなのだろう。そういえば佐久間先輩から年始に
ラインで隠し撮りの写真が送られてきてたっけ？

見返してみようかな

『まつ毛ながぁい・・・。鼻筋も通ってて、色も白いし、』

休日の自宅でまじまじと先輩の顔を見ているとなんだか変な気持ちになる
・・・。
引き込まれそう

やっぱり私は彼を忘れる事は出来ないね

『っ、て、深澤先輩から通知！？』

いきなり通話の画面になり、キッチンで作業をしていたため
慌てて電話に出る

『も、もしもし？』

深澤「あ、ごめぇん！急に電話しちゃって！ゎら」

『別に構わないですけど、どうかしました？』

深澤「明日さ、佐久間とか照と一緒に待ち合わせしてんじゃん？」

『そうです、14時くらいかなってラインで言ってましたけど』

深澤「ごめん！俺さ、大学の補講あってその時間にいけそうにないんだよね」

『え、補講・・・ですか』

深澤「そー。佐久間は取ってないコマなんだわ、ごめんね遊べなくて」

『そうですかー・・・・じゃあ仕方ないですね』

深澤「ドタキャンなんかしちゃってさ。」

わかってるならそんなことを言わないでくれ、なんて思うけど
彼には罪はないし仕方のないこと

『大学生、忙しいですしね。また今度』

深澤「明日の夜は？」

『明日はバイトなんで、夜はもう忙しいです』

そう、明日は本当なら14時にみんなに会ってから
バイト行って目黒君と渡辺君に渡して

バレンタインミッションコンプリートの予定だったのに

深澤「そっかぁ・・・。ほんと、ごめんね。」

『仕方ないですって。』