惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ24)

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深澤先輩から急に告げられたドタキャンを飲み込み
通話を切る

さて、どうしよう。

顔を書こうと思っていたカップケーキと
渡す分のクッキーに視線を落とす

当日渡せないなら、本当なら翌日とかに会う口実を付けるのが普通なんだろうけど

佐久間先輩も言ってたレポートの期間だから
それも無理かもしれないしさぁ・・・・。

『こんなことになるなら作んなきゃよかったかも。』

なんとなくラッピングのカラーも、
彼が好きな紫のリボンにメッセージカードを準備していたため

・・・・・・少し、痛い

とりあえず、一通りラッピングしておいてバイトに持っていこう
まぁ持ち帰って自分用に食べてもいいし

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渡辺「明日、14時前くらいに家迎えに行くわ」

『駅前集合でいいよー？』

渡辺「俺が寝坊するかもしんないからそうさせて」

『なんで寝坊する予定なの？』

渡辺「待たせるよりはいいだろ。んじゃそういうことで」

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一方的に明日の待ち合わせを決められたことだし
とりあえず明日の服とか決めないとかな

せっかくのバレンタイン

いつもより可愛いカッコをしても、いいよね？

クローゼットをあけて、
めったに着ない少しだけガーリーな服を引きずり出す

・・・・・・・・・・・

渡辺「おまたせ。って・・・・」

『今日は寝坊しなかったみたいだね、渡辺君』

渡辺「お、おう。」