惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ22)

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目黒「ちょっと、俺も気にかけておきます。Aさんすいません・・・。」

『そんな・・・目黒君が気負うことはないよ。』

渡辺「イケメンってのも、罪だな。」

目黒「俺のせいでAさんに迷惑かけんの、嫌ですもん」

『だぁいじょうぶ。心配しないで？』

渡辺「ほら、かえんぞ」

『うん、目黒君バイバイ！』

確かに、あの女の子からそんなこと言われたのは
早く言っておくべきだったかな

でも、正直何かあったわけではないから油断してた

『わたし、目黒君たちと仲良くしすぎたかな。』

渡辺「そんなことないと思うけど。まぁ気にすんなって」

『ファンクラブとか、片思いしてる子からしたら嫌な存在だし・・・。』

渡辺「・・・何、お前目黒好きなわけ？」

『いやいや・・・ただの可愛い後輩だってだけ。』

渡辺「じゃあ堂々としておけばいいだろ？」

『・・・・恋する女の子の気持ちは複雑なんだよ。多分。』

渡辺「ふーーーん。」

『いや、少しは興味持って？』

自分から振っておいて急に興味をなくす典型的なB型男
なんだよもう・・・。

『じゃあ、渡辺君ありがとう。』

渡辺「まぁ、シフト被ってるの多いし任せろって」

『頼りになるなぁ、さすが頼れる同期！』

渡辺「同期、か。まぁいいわ」

『おやすみ。気を付けて帰ってね？』

渡辺「ん。おやすみ。」

のそのそっと、来た道をかえっていく渡辺君の背を見送って
自宅の玄関に入る

『おやすみ』なんていう仲になったなんて
少しドキドキしちゃうかもね。

『おやすみ、か。フフッ』