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鏡に映る波打つ黒い髪を豪快に束ね、最後にくるんと頭の上でお団子にする。
昨日の様子を見た限りだと、白百合のお嬢様方にはきっとまだ私とミホを見分けるのは困難だろうし、しばらくはこの髪型でいよう。

生まれてこの方化粧をしたことがない私はこれで準備は整った。

…そろそろ社交の場にスッピンででるのも如何なものなのかな。
自分で言うのもなんだけど、手入れもしてない割には肌も綺麗だと思うし、面倒だからしてないけど…ミホに今度社交の場に通用するメイク教えてもらおうかな。

そんな事を考えながら時間を確認すれば、そろそろ出なくてはならない時間で。



「…行ってきます、お母さん。」



私はドレッサーの上に置いてある、額縁に入れられたその写真にそう呟く。

波打つ黒髪の女性の写真は、言わずもがな私の実の母親のーーー私とミホのお母さんの写真。

蓮見が私が中学2年の時にどこからか入手してきてくれた物だ。
この写真の入手は、蓮見が竜宮にきて初めて、私のためにしてくれた事だった。



「…なんて、干渉に浸ってる時間はない。」



私は誰にとでもいうわけでもなく、そう呟いて首を振ると、パチン、自分の頬をはたく。

よし、これで気合は十分。



「今度こそ、いってきます!」



お母さんの写真にもう一度そう言うと、私は部屋を出た。

ここから出たら、私は"竜宮家のお嬢様"。

例え私が生まれは綾瀬の人間であろうと、それはきっとずっと変わらない事実だと、つい数ヶ月前までは信じて疑ってなかったけどーーー

それにも終わりがくるならば、今はどうか。
私が私のやりたい事をするのを、神様が許してくれますよう。

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設定タグ:お女ヤン , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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あゆみ - ここまですごく面白かったので続きも楽しみにしてます!更新頑張って下さい\(*⌒0⌒)b♪ (2015年9月21日 17時) (レス) id: 5caf3af081 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2014年1月16日 19時) (レス) id: 92feccc4ca (このIDを非表示/違反報告)
謎の月(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!これからもお読み頂けると光栄です (2014年1月12日 22時) (レス) id: 3695c26c2a (このIDを非表示/違反報告)
謎の月(プロフ) - あゆさん» コメントありがとうございます!嬉しいです!もう更新するつもりはあまりなかったのですが、もう少し頑張ってみます! (2014年1月12日 22時) (レス) id: 3695c26c2a (このIDを非表示/違反報告)
ニア - 泣きました、笑いました。 最高です! (2013年12月30日 22時) (レス) id: 04fbca3b91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2013年1月12日 23時

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