天然記念物カップル【牛島若利】

天然記念物カップル１８｢デートまで｣ ページ18

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スパッ、と音をたてて、Aのシュートがリングに入った。
それと同時にビーッとブザーが鳴る。
監督が｢集合!!｣と指示をだし、私たちは監督の回りをかこむ。

いつも通り、だった。

｢――明日は1日、部活をなしにする｣
｢｢はァ?｣｣

この一言に、部員全員が唖然とする。

ここは強豪バスケ部だ。
だから休みなんてほとんどなく、先生の急な出張さえ、メニューはAが考えて練習していた。

ここの体育館はバスケ部専用で、集会などに使われることもない。
今まで休みになるときも、監督が市民体育館などを予約していてくれたのに。

｢……なぜですか?｣

そうAが言う。

ガジガジと監督は頭をかいたあと、｢急な用事が入った｣と言った。

｢たとえ大学確定のやつがいるとはいえ、お前ら受験はするんだぞ?
バスケはバカじゃできねえだろ。勉強しろ、勉強｣

……勉強やだ。

｢わかりました｣

Aはまだ納得がいっていないようだが、すぐに監督の指示を受け入れる。
ちなみに今日は金曜日。つまりは明日、珍しく休日オフなのだ。

｢シューティング再開!｣
｢はい!!｣

――英太がオフだったら、デートぐらいしたいなあ。



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