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ページ17

「手ェ出すなって言ったよね、俺」
「あの人のことなんて知りませんよ」



ほらまた、まるで自分のモノかのように言う



「お前にも言ってんだけど」
「俺が手ぇ出したかなんてわからないじゃないですか」
「うん、勘」
「なんですかそれ。それに――…」



なんでそんなに余裕があるのかわからない


その余裕がムカつく



「Aさんはアナタのものじゃないですよね?」



そう言うと合った視線にフッと笑われた


なんなんだ一体。昨日Aさんと一緒に居られなかった腹いせか、それとも昨日の挑発のお返しか


すると聞こえてきた声に、見れば渡り廊下の先にこちらに向かってくるAさんと清水さんの姿があって


清水さんと話すAさんは昨日や今朝とは違くていつものAさんだった



「おはようございます」
「おはよう、早いのね」
「まぁ」
『お、おはよう』
「おはよう」



俺をじっと見る瞳が黒尾さんに気づかなければいいのにと思ってしまう



「はよ」
『え……』



けれどそんなことあるわけなくて、体育館に入ると死角になっていた黒尾さんに止まったAさん


もう少し違う反応するかと思ったけれど、もしかしたら俺の告白が原因かもしれない



『お、おはようございます。どうしたんですか、こんなに早く……』
「んー、朝練」
『そう、ですか。びっくりしました』



じっとAさんを見る瞳はまるで何かを探っているようで



「昨日大丈夫だった?」
『え!?昨日…?大丈夫ですよ、別に』
「そ、」
『あ、潔子さんネット出しましょうか』



明らかに話題を変えて清水さんに向けた言葉は黒尾さんに何かあったと勘付かせるには十分だった


宣言通り清水さんとネットを出しに行ったAさん。その後ろ姿はポニーテールに赤い石がついたヘアゴムが一つ


もちろん腕にも何も付けていなかった彼女に、きっと黒尾さんも気付いただろうけど


そんなの今はどうでもよくて、こんな小さな事でも嬉しくて思わず笑みが零れた


このまま俺のものになってしまえばいいのに――…

▽→←▽



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成田(プロフ) - かおりさん» こんばんは!コメントありがとうございます!嬉しいです✨結構長かったと思うのですが一気に読んでくださったんですね!ありがとうございます!更新頑張りますので、また読んでくださると嬉しいです✨応援ありがとうございます!! (6月26日 23時) (レス) id: 44d50683fe (このIDを非表示/違反報告)
かおり - 最高すぎて三連休を使って一気読みしてしまいました🥹❤️続きが楽しみすぎて楽しみすぎて🥺更新大変かと思いますが応援してます☺️🫶 (6月26日 10時) (レス) @page42 id: c82b12eeb8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるの嬉しいです✨更新できるだけ頑張ります✨ (2023年2月8日 15時) (レス) @page2 id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 好きすぎて更新が待ち遠しいです😍😍どのキャラもかわいい🎀 (2023年2月8日 0時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月7日 23時

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