検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:153,744 hit
小｜中｜大

2 ページ2

大丈夫です。

なんて曖昧な答えだっただろうと家に帰ってから気付いた

普通に考えれば急にあんなことを言ってきた彼はおかしいのだが、また会えるんだと期待している自分がいるのも事実だ

おかしい

別に好きなわけじゃない

けれど今日、私の足はまたいつものコンビニに向かって

もしかしたら彼はいないかもしれないと期待しすぎる自分に圧を掛けて、見えてきたコンビニの前にあの彼を見つけた

待っていてくれているのだろうか・・・わざわざ外で？私を？


『こ、こんばんは』


反対側を向いていた彼に後ろから声をかければ、振り向いた彼は驚いていた

今日もいつものようにモサッとした髪にジャージ。手には昨日の漫画雑誌を持っていた


「来て、くれたんだ・・・」
『す、すいません、なんか、図々しいですよね』


たかが数百円の雑誌を貸してもらうために来たなんて、思えば少し恥ずかしい。他で買えば済む話なのに


「いや、はは、よかった来てくれて」


そう言って笑ったその人がこんなにも柔らかく笑う人だなんて知らなくて、思わず心臓がぎゅっとなった


「はい、これ。弟さんに」
『ありがとうございます』


雑誌を受け取って、これだけの為にここに来た私はもう帰るという選択肢しかなくて、シンと静まり返ったそこ


『あ、そ、そう、これ読み終わったら返します！』
「え、いいよ別に」
『でもお金を払ったのは貴方なので・・・』


また会いたいと

また話したいと思って理由を付けてみたけれど、そう思っているのはきっと私だけだ


『ダメ、ですか・・・？』
「いや、じゃあ弟さんが読み終わったらで」
『は、はい！じゃあ！』


彼の優しい笑顔と嬉しい返事に、嬉しくて

私から誘ったみたいになってしまったことに急激に恥ずかしくなった私はそう言うと走ってその場を後にした


3→←1（一章）



→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )

点数: 10.0/10 (202 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
383人がお気に入り
アイコン この作者の作品を全表示｜ お気に入り作者に追加｜アイコン 感想を見る
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム： 感想：  ログイン

成田(プロフ) - わらびもち子さん» わらびもち子さん！コメント、完結ありがとうございます！お話たまに読ませてもらっております！　相良くんの連載も読んでくださっているなんて嬉しいです！ありがとうございます！こちらもまたお話読みに行かせていただきます！ (2018年12月16日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
 成田(プロフ) - あべまさん» コメントありがとうございます！そして最後まで読んでくださり、嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてくださったとは！嬉しすぎます・・・！！本当にありがとうございます！ (2018年12月16日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
 わらびもち子(プロフ) - 完結おめでとうございます！伊藤君がヘタレでかっこよくて最高でした。相良君の連載も楽しみにしています！ (2018年12月16日 19時) (レス) id: 8a68cf3e08 (このIDを非表示/違反報告)
 あべま - すごくおもしろかったです！！青春ですねー！月がきれいのくだりきゅんきゅんしました。すてきな作品ありがとうございました！ (2018年12月16日 14時) (レス) id: 8be06f6a50 (このIDを非表示/違反報告)
 成田(プロフ) - 蓮己さん» コメントありがとうございます！あぁ、そんな、泣いてしまうなんて…ありがとうございます！！真っ直ぐで優しい伊藤くんは本当に素敵ですよね！ (2018年12月13日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名：成田 | 作者ホームページ：なし  
作成日時：2018年12月2日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。