My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ8)

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side M

「A体に力入りすぎだよー、なーんにも怖くないから体の力抜いてだらーんってできるかなー？」

いつもとしていることとほぼ変わらないことをしているのに体に力が入ってガチガチなA。
相葉くんが背中を摩ったりしてくれてるんだけどあんまり効果なくて。

怖くないようにいつもより優しくやってるつもりなんだけどな…

一旦タオルを置いてからAの左手をそっと優しく握った。

たしかに今までAの確認もしてたけどやっぱり俺らのペースで進めすぎちゃったかなって思って。

「A、深呼吸してみよっか。相葉くんも皆一緒にね。」

「そうだね！じゃあ一緒にやろっかー、せーのー、吸って～……はい、吐いて～…そうそう、A深呼吸上手だねー！」

俺が左手を握って左側の背を摩って相葉くんが反対側で同じことをする。
不安なときこそ人の温もりが1番安心できると思うから。

その証拠に段々と力も抜けてきた。

やっぱり不安だったんだな。

「力抜けてきたねーA。上手上手。じゃあ続きやっていい？」

少しだけ間を置いてから頷いたA。
大丈夫かな？と少し不安に思いながらも握っていた手を離そうとすると、躊躇った感じもありながら、離さないでというように強く手を握ってきた。

「手、離すの嫌だった？それじゃあAがそろそろ大丈夫かなーっていうときまで手、ぎゅーってしてようか。もういいかなって思ったら続きしようと思うから手、離してもらっていい？相葉くんとは手は繋いでていいからね。」

できる限り優しく言うと、涙目ながらも小さく頷いてくれた。
涙拭くよ？と断ってからそっと涙を拭ってやる。

特別何かいつもと違う言葉をかけるわけでもなくあやしてるわけでもない。
でもAにはこの空間が1番落ち着くんだろう。

少しだけだけど嬉しそうに口角を上げている。

3分くらい経った頃、落ち着いたようでそっと手を離してくれた。

中断したために殆ど冷めきったホットタオルにお湯をかけてまた温める。
先程と同じようにAにお湯の温度を確認してからまた清拭をしていった。

「最後に顔だけ少ーし拭くよ。目ぎゅーってしてていいからね？」

ぎゅっと目を瞑ったことを確認してさっと顔全体を拭いてやって清拭は終わり。

「よし終わりー。相葉くん服着せるの任せていい？片してくるから。」

「りょーかい！A？今から服着てくよー。」

相葉くんにあとは任せて道具を片しに病室を出た。