My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ34)

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side N

「されるのは嫌いなくせに弄るのは好きなのね？笑」

時間があったからAの病室に顔を出した。

まぁ半分は監視っていうか自傷をしないように見てるって感じなんだけど。
微熱のこととかもあって軽く幼児退行が出てきてる。

回診後だったから聴診器も白衣にしまわずにそのまま首にかけたままで､気付いたときには軽く時遅し。

泣かせるかなって思ったけど思いの外そんなこともなく､むしろ普段嫌ってる聴診器に興味津々でよこせよこせというように手を伸ばしてる。

どういう風の吹き回しなのか。

別に弄るのは構わないけど新調したばっかだしそこそこ良い値段したんだから壊されるのだけは勘弁よ？笑

抱き上げたはいいけど､聴診器をひっぱった反動で聴診器を頭にぶつけるっていうある意味お馬鹿なことをしてる｡

あー…大丈夫かな色々(苦笑)

Aは勿論そうだけど､新調したばっかの聴診器も…

「もー、引っ張るからでしょーよ…どこぶつけたの？ん？ここ？」

教えてくれる雰囲気ではなかったけど､手で押さえてるからわかった。
押さえてる部分に自分の手を軽く重ねて尋ねると､吃驚していたものの微妙に頷いてたから痛いのとんでけーみたいなノリで優しく撫でてあげる。

「…ん？なぁに？」

撫でながらあやしていると､小さく口パクで何かを訴え始めた｡唐突過ぎてわからないから聞き返してみる｡

"いたい"

って口パクしてるように聞こえて､うん、まぁそうだよねって普通に思ってたんだけど｡

「…そんな痛かった？」

そこまで強く当たってないのにまた泣きだした。
見た感じ腫れてもいないし血が出てるわけでもない

「ん？書くの？ちょっと待ってよ。」

ベッドサイドに置いてあるノートに手を伸ばしたから､鉛筆消しゴムの筆記用具も一緒に渡してあげる｡
泣きながらだけどちゃんとAの手に渡ったことを確認して､これからAが訴えるであろうことを頭の中で予想してみる。

正直何も想像できない

「ほーら､そんなにはぁはぁしてたらまた息苦しくなるから｡ゆーっくりね｡」

けど､しゃくりあげがいよいよ怪しくなってきて､落ち着かせるように背中を擦る｡この調子じゃ書くのは厳しいかな｡
でもAが自らの意志で何かを伝えようとしてるのはすごく久しぶりなこと｡
だから吐き出すことをすれば心身ともに楽になるはず｡

それなら

「A､大野さんも呼んでお話しよっか？」

スーパーおじさんドクターにも来てもらいましょうかね？