My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ30)

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side N

やることを終えて、医局で少しゆっくりしていると、PHSが鳴って、翔さんから。
話を聞いた時はなんじゃそりゃって感じで、いや、だってまさか院内で患児が襲われたかもしれないってどんなニュースよってこと。

Aに俺の名前を出しても特に拒絶もないようだったからって。

ひとまず向かいますか

できるだけ早足で病室を目指す。

「ニノー」

病棟に入ったと同時に相葉さんと遭遇。

「連絡もらったはもらったけど、どういうこと？」

「いやー、俺らもまだA自身から何も聞けてないからわかんないんだよね。とりあえず今は清拭だけしてあげようって話になってる。まだ俺は準備してるけどおーちゃんと翔ちゃんいるから先に病室行ってて！」

それだけ言ってナースステーションに入ってった相葉さん。
とりあえず向かうか。

細心の注意を払って、静かに扉をあけると、3つの目が俺に向いた。

ベッドに座って、タオルを羽織っているAと、俺に近い順番で翔さんと大野さん。

「A～、ニノ来てくれたぞ～。」

柔らかく話しかけてはくれてるけどやっぱり少し怖がってる感じはする。
こんな状況で近寄っていいものかわからなくて大野さんとアイコンタクトをとると、ゆっくりって口パクされたからなるべくゆっくり、怖がらせない様に…を第一に考えてAに近づいた。

大野さんよりもほんの少し離れた場所で止まってAの様子を窺う。

「Aー､どーした？」

Aの目線に合わせるようにして中腰になると同時に清拭の道具を持った相葉さんが入ってきた。

「よーしA､綺麗にしよっか！」

相葉さんが近づいてもあまり怯えている感じがない限りやっぱりこの人、ミラクルボーイだなって思う。
怖がらせない様に、1つ1つこれから行われていくことを伝えながら、清拭を進めてたんだけど…

「A…！？」

何かプツンと切れたように、突然ぼろぼろと涙を零して泣き始めたA。
そのままあたふたしている相葉さんの胸の中に顔をうずめた。

抱きしめ返しているも､どう対応したらいいかわからないようでどうしようといった顔でこっちを見ている。

「ん､いっぱい我慢してたなぁA｡たくさん泣いていいかんな～｡よしよし…」

相葉さんの腕の中で泣いてるAの後頭部を大野さんが優しく撫でていた｡
軽く肩を叩かれたかと思うと翔さんが､呼ばれたらしく「あとよろしく」と小声で言って出て行った。

…とりあえず俺どうしたらいい？(苦笑)