My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ16)

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side S

何とかMRIを終えたAを雅紀に預け、智くんにAの診断結果と治療方法を一緒に考えてもらうように頼む。

そしたら外泊扱いで俺たちの家に一時住まわせたらどうだというなんとも抜けた答えが返ってきた。
毎度毎度この人の考えには驚かされるばかりで、今回の内容もめちゃくちゃだったりするけど、1番適切な答えなんじゃないかって言う答えが多いから本当にすごいと思う。

考えてみるよって返したけど、容態も安定してるし外泊しても特に問題はない。

いつでも外泊許可出せるようにして後はAの意見を聞いてからにしよう。

気づけば1時間弱経っていたようでそろそろ起きてるかとAの病室に行くと案の定起きていたA。

状態も変わりなさそうだしもう話しても大丈夫かな。

どうしてこんな状態になってしまったかをわかりやすく簡潔に説明する。

あっという間にAの目に大粒の涙が…って、病状を説明してるだけで何も痛みの伴う処置してないのにすっげー悪いことしてる気分…

目からほろほろと流れている涙を拭ってやりながら、泣かない泣かないと声をかけてやる。
たしかに身体異常は見られなくても精神的にやられてるっていえば怖くもなるか、身体と違って精神の方は治る見通しを立てるのが難しいから。

「そんな泣かないの。大丈夫、ちゃんと目は見えるようになるから。な？」

頭を撫でながらそう言葉をかけてやると、うるうるの瞳をこっちに向けて、治る？と口パクで聞いてきた。

「うん、大丈夫。俺たち皆で保障するから。Aの目は必ず治る。」

智くんからAを預かってあやしていると、小さくだが、ふにゃあと微笑んでくれたA。
やっと今日初めてのAの笑顔が見れた。

落ち着いた様子のAに、視力回復のために一時的に俺たちの家で療養しようということを提案すると、少し戸惑ったような様子を見せたAだが、一先ず落ち着くまでは、俺たちの家に外泊という形で住むことで落ち着いた。

「今日1番にあがるのニノであってるよね？」

「うん、確かニノだよ。当直上がりでカンファ終わったら帰るっていってたし。...てそれなら連絡しなきゃじゃん！！もうとっくのとうにカンファ終わってるよね！？」

智くんの言葉に乗っかって、あー、やばいやばいって慌ててPHSを握った雅紀。
…いつの間にきたんだ？笑

そんなことしなくても...

「うっさいよ、病室の外まで聞こえてるって。」

ほら、きた。