【歌い手】鳥籠の四天王【浦島坂田船】

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「……は…？」

思わず声を出してしまった。
新しい小鳥……？

「船長が新しい小鳥が入って来たって言ってたからね♪君は見たことないし、何より俺らを見て特に反応を示さない。まだ俺らに手ぇ出されてない証拠」

にこにこと可愛らしい笑みを浮かべながらぺらぺらと流れるように話していく男。
船長…というのは、先程話した支配人を名乗る男のことだろう。

小鳥というのは、四天王の虜になってしまった愚かな者……ここにいる、私以外の全員だろう。

ということは、彼らが四天王と考えるのが妥当だろう。

「へぇ…この子が小鳥ちゃん………A、ね」

びくりと肩を揺らし、声の主を探す。
聞こえた方を見てみると、ニマニマといやらしく笑う四天王の一人……紫髪の男と目が合った。

「勘違いせんでね。ただ船長に名前教えてもらっただけやから」

船長が乗客の名前把握してて当然やろ？と余裕そうに笑う男。

理由が理由でも、知らない男に名前を知られて、怖くないわけがないだろう。私は逃げ出そうとして、彼らに背を向けた。

走り出そうとすると、足は動くのに景色は変わらない。
首を絞められている感覚がする。首に手を当てると、傘の持ち手の様な物に触れた。

振り返ると、帽子を被った男が、杖で私を引き留めていた。

そのまま杖をぐいっと引っ張り、私は苦しみながら、四人のところへ引き戻されてしまった。

「ユートピア…完成…」

男は譫言のようにぼそぼそと何かを呟いている。ちらりと見えた目は狂気を感じる程に爛々と光って見えた。

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