明星スバルの奮闘記 ページ1
Side.Subaru
「AAっ、キラキラちょーだい!」
『はいはい、なんかあったっけ…?』
ごそごそとポケットを漁る彼女。俺の同級生兼プロデューサー。
俺の好きな女の子でもある。
失恋してるけど。Aはホッケ〜が好きだから。ホッケ〜なら別に良いけどさ。
『あーあったあった。これで良い?』
そう言ってビー玉を差し出してくる。
太陽の光を反射していてキラキラと輝いている。
ところどころ割れているが、そのお陰で更にキラキラしている。
「おお!すごいキラキラしてる!ほらほら光かざしてみて!」
『ん〜?……あ、すごい。ビー玉って割れた方が綺麗なんだ』
ビー玉を見つめているAの目は、キラキラしている。
別に、感動しているとかじゃないと思うけど。
例えるなら、ビー玉。
太陽の光を反射しているビー玉のようだ。
Aの目は、ビー玉くらいか、それ以上に綺麗だ。
キラキラしてて、好き。
Aの笑顔は、もっとキラキラしてて、もっと好き。
『スバルって、本当にキラキラ好きだね』
「うん。キラキラしてるの、良いじゃん。見てると心が洗われるっていうか」
『分かるかも』
洗われるほど汚くないだろ、と心の中でツッコミを入れる。
しばらく二人で、ビー玉を眺めていた。これは宝物にしよう。大吉にとられないところに隠しておこう。
そう決めて、Aと同時に立ち上がる。
『スバル』
「なに〜?」
いきなり呼び止められて、びっくりした。
『今言うことでもないんだけどね、私さ、北斗のこと好き』
「…うん、知ってたよ?」
『え、なんで』
「ずーっとホッケ〜のこと見てるんだもん。わかるわかる。多分ホッケ〜以外の人わかってるよ」
『まじか』
「なんで今俺に言ったのか知らないけど、告白してこい!」
『なんで!?』
「付き合って、幸せになれば笑うでしょ?Aの笑顔、キラキラしてて好きだから!見たいの!ほらほら行ってこーい!」
半分本音で半分嘘。
Aのキラキラした笑顔は好き。
見たいと思う。
でも、欲を言うなら、ホッケ〜じゃなくて、俺の隣でキラキラ笑っててほしい。
別に良いけどさ。
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作者名:扇@crew | 作成日時:2019年3月25日 13時