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少し気が引けるものの、綱のように束が太く長い髪を手に巻き付け、塔を登る。
窓に着くと、髪をかけるためであろうフックに髪をかけ、自分が登ってくるのを待っていたのか彼女が見えた瞬間に、目が合う。
「や、やあ」
『は、はじめ、まして』
窓から中に入ってと言うように身を引いたので、遠慮なく入れてもらおう。
「あの、ありがとう入れてくれて」
『いえ。でも、その、人と話したことが、ないんです、それで』
途切れ途切れに話す彼女は、人と話したことがないと言う。初めは驚いたが、まあ伊達に生きているわけではないので変なことは言わずにすんだが、童貞からしたらこんな可愛い女の子と二人で何の会話もせずに一夜を過ごすなんてキツいにも程があるやろ…。
とそんなことを考えているとあ、あのと声をかけられる。
「ん？どうしたん？」
『えっと、今日、は、お母様が帰って、来なくて、ご飯が、一人分しか、』
「あ、大丈夫やで。飯は持ってるし」
『そ、そうで、すか』
ほんまに話すん苦手なんやな。てかお母様？
「お母さんどっか行ってやんの？」
『えっと、はい、』
「どこ行ってやーるん？…あ、ごめん、話すん苦手やったな」
『い、いえ、大丈夫、です、その、ご飯を買いに、』
「あー、そうなんや。大変なんやなあ」
『え、あ、はい、』
その後、沈黙が続く。いやあキツいやろ！！
どうしたらいいねん！？こちとら長年こじらせた童貞やぞ！？気付かぬ間に変な顔でもしてたのか、彼女はくすくすと笑っていた。
「えっ、そんなおもろかった？」
『えっ！あ、いや、その、ごめんなさい』
途端にしゅんとした顔になる。いいのに。
「大丈夫やで、あー、えっとなんて呼んだらいい？」
『あっ、そう、でしたね、あの、A、って、いいます、はい、』
A…かわいいな。
「Aちゃん、でいいんか？よろしくな。俺トントンって言うねん」
『と、とんとん、さん。よろしく、お願いします、』
「ん」
何度か、トントン、トントン、と復唱しているAちゃん。かわいい。って、俺めっちゃきもいやん！やめよ…。
しばらくたわいもない話を振って、何回かのキャッチボールで終わり、たまにAちゃんから話しかけてくれて、俺が彼女に惚れるのに時間はかからなかった。
色々な話をして、気づけば空には月が綺麗に浮かんでいた。
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タユ(プロフ) - リクじゃなくてすみません。どのお話も凄く素敵で、中でもひとらんの月が綺麗ですねがひとらんかっこいいなと思って読んでいました。これからも更新待ってます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: 2268a0f833 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - どの作品もとても面白いです!これからも楽しみにしています。リクエストなんですが、まんちゃんかロボロさんで『真夜中のお姫様』をお願いしたいです。小さい頃から好きな童話なので是非お願いします。キャラ被っててすみません。長文失礼しました。 (2018年6月22日 2時) (レス) id: 683f233a63 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ら民、ゆっ家族、ぴく民、その他もろもろ - ひとらんでかぐや姫とかお願いします！ (2018年6月14日 15時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ2323 - ゾムニキの見ました！意外な展開で驚きました！ひとらんの話は日本の物語がいいですＯ(≧∇≦)Ｏ (2018年6月11日 19時) (レス) id: 060ab598a0 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 葉っぱ2323さん» コメントありがとうございますー！了解です！何の物語だとか、設定とかありますでしょうか？ (2018年6月10日 21時) (レス) id: 85c505ce06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい | 作成日時：2018年5月25日 23時
