愛は魔女を救う / rbr ページ6
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『ねえロボロ』
鏡に呼び掛ける。
「はいはいなんですかー」
間延びした声は鏡から発せられている。
いつもの事だ。
『この世で一番美しいのは誰？』
「そりゃあんたですよAさん」
『そう』
毎日毎日、同じ会話を繰り返す。
美人でいたいのは愛されたいから。
ある日、またいつものように呼び掛ける。
『ねえ、この世で一番美しいのは誰？』
「…んー、白雪姫っていうらしいですよ？あー、確かに可愛い」
ゆら、と鏡が揺れ、白雪姫とやらが映し出される。
こんな生娘が？わたしより美しいなんて。ありえない。
『殺す』
ひーこわ、何て声は聞き流し、知り合いの科学者のもとへ行き、毒リンゴを頼んだ。
理由なんて、言う必要はないだろう。
老婆に化けてリンゴを売る。
馬鹿な女だ。小人たちに止められていたようなのに、少し話せばリンゴを買ったのだ。
森に隠れて観察していよう、小人どもが戻って来て、悲しむ様子を見てやるんだ。
しばらくすると、この国の王子がやってくる。
「こんなにも美しいのに、ああ、何て事を」と言った王子を見て思った。
所詮自分は悪役でしかないのだ、姫と王子の仲を持つしかないのだと。
激しくドアを開閉したことは自分でもわかっていた。
何かを悟ったような声が掛けられる。
「失敗やったな」
『うるさい』
「そんな怒らなくても」
『黙れ』
「俺は」
うるさい
「Aのほうが」
同情の言葉なんて
「好きやで」
『っ、！』
空間の歪む気配がして、ロボロが鏡に現れる。
「こっち来てや」
言われるがまま、一身まるまる映る鏡の前に立つ。
「俺は触られへんから、」
鏡に彼の手のひらが映る。向こうから当てているのだろう。
「抱き締める事も、髪を撫でることもできん」
悲しそうに桃色の瞳を揺らす。
「でもな、Aが俺の中で一番綺麗やし、可愛い」
「もちろん、酷いことしてきたのも見てる。でもな、」
俺しか知らん可愛いとこいっぱいあるよ、と。
ロボロはそう言った。柔らかい笑みを浮かべて。
無意識のうちに彼の手のひらの映るところに自身の手を当てていたようだ。
心なしか温かく感じた。
『珍しい。ロボロがそんなこと言うなんて』
「お前、俺の告白流す気？」
『そう言うんじゃないけど。君はもしかしなくともわたしを見くびっているようだね』
「どういうこと？」
『わたしは愛しい人を閉じ込めて置くほど馬鹿じゃないんだよ』
鏡に魔法が掛けられ、二人がキスをしたのは、少し後のお話。
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タユ(プロフ) - リクじゃなくてすみません。どのお話も凄く素敵で、中でもひとらんの月が綺麗ですねがひとらんかっこいいなと思って読んでいました。これからも更新待ってます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: 2268a0f833 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - どの作品もとても面白いです!これからも楽しみにしています。リクエストなんですが、まんちゃんかロボロさんで『真夜中のお姫様』をお願いしたいです。小さい頃から好きな童話なので是非お願いします。キャラ被っててすみません。長文失礼しました。 (2018年6月22日 2時) (レス) id: 683f233a63 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ら民、ゆっ家族、ぴく民、その他もろもろ - ひとらんでかぐや姫とかお願いします！ (2018年6月14日 15時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ2323 - ゾムニキの見ました！意外な展開で驚きました！ひとらんの話は日本の物語がいいですＯ(≧∇≦)Ｏ (2018年6月11日 19時) (レス) id: 060ab598a0 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 葉っぱ2323さん» コメントありがとうございますー！了解です！何の物語だとか、設定とかありますでしょうか？ (2018年6月10日 21時) (レス) id: 85c505ce06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい | 作成日時：2018年5月25日 23時
