寝坊助め！/knsm ページ19
※原作に捏造が含まれます
今から十数年前のことだ。
一国の国王である父に連れられ、父の友人の城に赴いたことがある。なんでも娘が生まれたとかで、長ったらしくお祝いのメッセージやプレゼントの紹介をする式典は、まだ幼かった俺にとって苦痛でしか無かった。
ぼんやりと魔法で生み出された蝶を目で追っていた時。何番目かの魔女が、突然城を騒がせた。
『16回目の誕生日の日が沈む前に、王女は糸車の針で指を刺すだろうそして！死んだように眠りにつくのだ！深いその眠りからは二度と、目覚めはしないだろう…』
それから、その国の糸車は全て焼き払われたそうだ。
誰かこの退屈な時間をどうにかしてくれ。そう願っていたがまさかこんなことになるなんて思いもしなかった。そのせいか俺はそれを鮮明に覚えていた。
5つも下の彼女はAと言って、小さい時から世話をしていた。俺が12歳になった頃、剣士として訓練を積んでいた次男の俺は、森の深くに隠れて住まわされている彼女の護衛として一緒に暮らすことになった。
「Aさま、こちらの方がこれからお世話してくださいますからね」
『だあれ？』
「コネシマや。こんなとこ、なんも危ないもんないけど、お前のこと守らなあかんねん」
『わたしをまもるの？』
「そうや」
へえー、よろしくね！なんて笑顔で言うAの頭を乱暴に撫でると、にへらと楽しそうに笑った。
俺はこの笑顔を守らねばならない。ずん、と重たいものを飲み込むような感覚と同時に妹ができたような幸せを感じた。
『コネシマー！』
「まあた木登りかー？危ないで辞めいって」
『いやだ！楽しいもん！』
それにコネシマがいれば落ちても痛くないもん！と言ってAが木から飛び降りる。
「ちょ、おま危ないやんけ！」
『でもコネシマが捕まえてくれるもん〜』
咄嗟に抱きとめたものの、いつもながらヒヤヒヤさせられる。地面に下ろしたあと手刀を御見舞してやると、いったーい！と頭を抱えて走り回るA。
「ほら、そんなふうに走ったらまた転ける、」
『うわあっ、』
「はぁ…」
草原の上で突っ伏すAに歩み寄れば、いたーい…と涙目でこちらを見上げてくる。
「だから言うたやろあほ…ほら立って？服汚れてまうで」
『たてないー！』
「1人で立てるやろ？Aは転けても泣かん強い子や。」
な？と笑ってみせると、うん、と勢いよく立ち上がる。単純だが、この単純さが可愛い、なんて思ったり。
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タユ(プロフ) - リクじゃなくてすみません。どのお話も凄く素敵で、中でもひとらんの月が綺麗ですねがひとらんかっこいいなと思って読んでいました。これからも更新待ってます！ (2019年3月13日 17時) (
レス) id: 2268a0f833 (このIDを非表示/違反報告)
雨音 - どの作品もとても面白いです!これからも楽しみにしています。リクエストなんですが、まんちゃんかロボロさんで『真夜中のお姫様』をお願いしたいです。小さい頃から好きな童話なので是非お願いします。キャラ被っててすみません。長文失礼しました。 (2018年6月22日 2時) (レス) id: 683f233a63 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ら民、ゆっ家族、ぴく民、その他もろもろ - ひとらんでかぐや姫とかお願いします！ (2018年6月14日 15時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ2323 - ゾムニキの見ました！意外な展開で驚きました！ひとらんの話は日本の物語がいいですＯ(≧∇≦)Ｏ (2018年6月11日 19時) (レス) id: 060ab598a0 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 葉っぱ2323さん» コメントありがとうございますー！了解です！何の物語だとか、設定とかありますでしょうか？ (2018年6月10日 21時) (レス) id: 85c505ce06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい | 作成日時：2018年5月25日 23時
