【リボーン】ドSで腹黒な私は武お兄ちゃんの義妹です！ (ページ27)

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お兄ちゃんは学校が好きです！ページ27

「クフフフ……攻める前に、まずは敵の情報も知っておかなければいけませんね……」

校門の前に、ひとつの黒猫の影。
しかし、その猫は普通の黒猫ではない。その猫の頬には

槍でひっかいたような傷があった。

「まずは……中に入ってみましょうか」

小さな体に、大きな野望を持ち、猫は進む。

が、すぐにその道ははばまれてしまった。

「ごべばぶっ！！！」

彼の歩く目の前に人が『飛んできた』からだ。

「(な、なな、なんなんでしょうか、一体)」

彼の『容れ物』は本能的に喉を鳴らす。でも、そんな可愛らしい声も

Aの前では雑音でしかなかった。

「ほら！！何、休んでんだよ。誰が休んでいいって言いました？ああ！！？」

「ヒィ！すみません////」

「(とてもシュールな絵ですね。並盛とはこーゆーところなのでしょうか…)」

彼は悩み、しばらくこの茶番を眺めることにした。

「じゃあ言ってみなさい。

『私は汚い豚野郎です。
地球様、貴重な酸素を分けていただき誠にありがとうございます！！』と！」

「はい！『Aちゃん！大好きです！こんな豚野郎を罵ってくれてありがとう！！』！！」

「違います！！何勝手に文章捏造してんですかっ！！！

しかも文才ゼロですね！もっとその小さな脳みそを駆使して何かいいこと言ってみなさい！！」

彼は思った。
来る場所を間違えたな、と。

しかし、彼が気づいたときにはもう遅かった。

「あ！じゃあ、そうだ！！
『君は______あの黒猫のようにキュートだよ』！！」

その少年は、彼の『容れ物』…つまり、そう言いながら彼を指した。

黒猫の肩がグラリと揺れる。

もう逃げれない。

そう思ったとたん、その少年達は近づいてくる。

そして、先に少女がその黒猫を抱き上げて言った。

「雲雀先輩って、確か動物好きの金持ちでしたよね～……

ﾎﾞｿｯ)いくらで売れるだろう……」

「(ヒィ！！)ニャ、ニャァアア！！」

身の危険を察知した彼は、

不便で小さな体を使って少女の腕から抜けだそうとするが、

「ちょっ、暴れないでください！！締め殺しますよ！！」

「……」＜ﾋﾟﾀﾘ＞

少女の殺気で『容れ物』が動きを止める。

「あ、止まった」

「さすがAちゃん！！」

「うるさい、お前は黙れ。それより…

早く雲雀さんに売りつけに行こう！」

その少女の目は、まるで夢を追いかけるように輝いていた。

そして、その目を………怯えるような、それでもやせ我慢しているような
目で見ていた黒猫がいた。