5話 ページ6
sideどろろ
あねき…
あにきは、
布のおかげで耳を塞がない。
そして、あねきを追いかける。
どろろ「待てよ!」
森の中で倒れていた。
どろろ「あねき!」
あにきは耳が復活してから可笑しくなった。
あねきは全然目を覚まさねぇ…
あにきは、物の怪にやられた。
坊さんが助けてくれた。
どろろ「あねきもあにきも…大丈夫かな…」
琵琶丸「兄ちゃんの方は急場は凌いだよ。薬が欲しいけどね。」
どろろ「おいら、ひとっ走り行ってこようか!」
川向うに大きな街があるはずだ。
琵琶丸「お良し。戦がありそうだからね。」
どろろ「なんで、あねきは目を覚まさねぇんだ?」
琵琶丸「…嬢ちゃんは坊やと兄ちゃんを家族のように母代わりになろうとしたんだよ。ろくに飯なんか食ってないんじゃないのかい?」
なんだよ…全然大丈夫じゃねぇじゃんか…
どろろ「あねきは我慢ばっかりしやがって!おいらだって我慢くらい出来るんだぜ!子ども扱いしやがって!!」
あにきが耳を塞いだ。
どろろ「ごめん。煩かった…?」
琵琶丸「穴蔵に篭ったって老いの獣ってとこだね。良いかい!これは人の声だ!」
あにきは抵抗してる…
A『…お坊さん、うちの子をあまり責めないでくださいまし。』
琵琶丸「お嬢ちゃん、弟を甘かやすのも大概にしな。成長しないよ。」
A『急ぐ事でもないでしょう。』
あねきに駆け寄る。
どろろ「あねき!大丈夫かよ!」
A『ごめんね、心配かけて…』
琵琶丸(嬢ちゃんの声も塞いでるのかい。)
どろろ「腹減った?」
A『何か探してくるよ。』
どろろ「おいらに任せて!」
A『どろろは百のそばに居てあげて。大丈夫だよ。って言い聞かせてあげて。』
あねきの背中が見えなくなった頃。
あにきはあねきが行った方に手を伸ばした。
どろろ「あにき?」
そして、奇声に近い声をあげた。
琵琶丸「…やっぱり嬢ちゃんの存在は大きいね。」
A『物の怪でも出たのかい!?』
戻ってきた。
どろろ「あにきが、」
説明しようとしたら、あにきが起き上がってあねきに抱きついた。
A『百?どうしたんだい?』
また、耳を塞ごうとしている…
A『床に伏せていたから布がズレたんだね。ちょっとはマシになると良いんだけど…』
結び終わると、あにきの背中をトントンと叩く。
A『♪〜♫』
おいらも眠くなってきた……
A『おやすみ、百。どろろ。』
あねきの手、おっかちゃんみたいに温かい…
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作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年6月21日 5時