検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:1,989 hit

其ノ肆拾壱 ある森の守り神 ページ41

堂々とって……ただ座ってる事しか出来ないよ……
月「これをやる」
愛華「え?」
月が私の首に掛けたのは真紅の勾玉のネックレス
月「これがあれば他の妖怪からは絡まれないだろう」
愛華「あ……ありがとう」
月「肌身離さず持っておけ。身分証明みたいなものだ」
愛華「分かった」
しばらくすると目の前に1人の女の人が現れて
「お待ちしておりました。月様」
月「うむ。此奴は二口女の水夜湖(みよこ)だ。」
水夜湖「新しい御家族ですか?」
月「嗚呼。人間の愛華だ」
水夜湖「い……今なんと……?」
月「人間だ」
水夜湖「し、正気ですか!?人間好きが過ぎますよ!月様!!」
月「水夜湖、今この祭りが毎年開催出来ているのは誰のおかげだと思っているつもりだ」
水夜湖「っ……と……歳三様です……」
月「歳三は人間じゃないとでも言うのか」
水夜湖「いえ……」
なにやら2人が揉めている。私には止める術もない
月「クウ、カル、ウミ、キル。お前達は愛華と祭りに行って来い」
4人「了解」
月「愛華、行って来い」
愛華「あ、うん。後で月も来るんだよね?」
月「嗚呼。行く」
闇さんから降りると、月、アルさん、闇さん姉弟は祭壇の奥へと消えていった
愛華「なんか喧嘩してたけど……大丈夫なの?」
クウ「大丈夫大丈夫」
愛華「そっか……あ、それでここは……」
カル「静岡県の森!大妖怪がこの森を護るために眠りについた祭壇」
愛華「あの2つ?」
カル「そそ。左は絡新婦(じょろうぐも)の雫(しずく)、右が大蜘蛛(おおぐも)の雅(みやび)。」
愛華「絡新婦と……大蜘蛛……どっちも蜘蛛の妖怪?」
クウ「そうだよ。雫さんと雅さんは夫婦だったんだ。この森に昔から住み着いていて、2人で人里へ降りては人間を騙し食い荒らしてた」
食い荒らしてたんだ……
クウ「いつしか人間からは恐れられる存在になった。だけど雫さんと雅さんは妖怪には人一倍優しかった。怪我をしていたら手当をし、迷子になったなら巣穴まで返し、捨て子なら拾って育てていた。とても優しい人達だった」
悲しい声でクウちゃんは話し続ける
クウ「いつしか守り神とまで言われるようになった。2人のおかげでこの森は護られていた。だけどある日、この森に災厄が起きた」
愛華「災厄?」
クウ「人間の村から家事が起き、この森にまで侵食してきた。雫さんと雅さんは森を守るために自分の出せる精一杯の糸を出し、火を止めた。2人の身は力の使いすぎで朽ち果てた。2人の遺体を守り神として祀ったのが、あの祭壇ってわけ」

其ノ肆拾弐 土蛾蟇組の登場→←其ノ肆拾 いざ祭りへ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ムーンナイト-moonnight- | 作成日時:2018年1月21日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。