prorogue 4 ページ5
――見たくない。
私の頭が、入ってくる情報を
拒絶しようとしている。
だけど―――
そんな私を魔法使いは煽り続ける。
「見ないの〜?ベッド。」
『……。』
「ねぇー、Aちゃん。見ないの〜?」
私は数分前に出会ったばかりの彼に
苛立ちすら覚えた。
…煩い。見なくたって分かるよ。
このベッドで誰が寝てるかくらい。
「ねぇ〜『…答えあわせ、するから。』」
不審者を遮った私の声に
お?っという表情を浮かべた彼。
――ここで泣いたら負けだ。
本能的にそう思ったから眈々と…
声を震わせることがないように
注意しながら私は答えあわせを進めた。
『まず、1問目から。ここは私の家じゃなくて、病院。』
クリーム色の有色カーテン
小型の薄型テレビ等々…
家とはレイアウトが全く異なるし
学校の保健室のベッドには
家電なんてついてない。
一区切りして、彼の方をチラリと見る。
だけど、彼はまだ口を挟まないようで。
だから私は構わずに続けた。
『2問目、私の記憶は高校の部活メンバーと帰ってるところで途切れてる。』
私のある限りの記憶の最後。
それは交差点で赤司くんと別れたところだった。
そこから家までは5分弱。
だけど、家にたどり着いた記憶はない。
『そして最後。そこに寝てるのは――』
最後の答えあわせの前
私はベッドを一瞥して先に答えあわせを
済ませてから
『―――寝てるのは紛れもない私自身。』
と言い切ったんだ。
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時