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29 PM 0:30 ページ13

「A、みんなが待ってる。行くぞ。」

昼休み、ボーッと外を眺めていたら
急に赤司くんから声をかけられた。

『え?』

「今日はスタメンとマネで一緒にお昼を食べる日だろ?」

その言葉を聞いて私はハッとする。

『あっ!そうだった!!』

忘れてた!そっか!今日か!
私は急いで鞄からお弁当を出すと
赤司くんの所へかけていく。

『おまたせ!』

「僕は待ってない。待ってるのは他のメンバーだ。」

なんて言うから他のメンバーを
気遣う姿に少しキュンとしてしまった。

スタメンとマネでお昼を食べるのは
中学の時と変わらない。

…唯一変わったのは、
マナーのお手本みたいに食事をする赤司くんを
見るためにファンの女子がバスケ部がご飯を食べる席を囲んでご飯を食べてニヤニヤして、それと同時に私に冷たい視線を向けるくらいかなぁ…。

…考えただけで寒気が。

食堂へ向かう途中

「そういえば、A。」

と珍しく赤司くんから声をかけられた。

いつもなら私から他愛のないお喋りを
するんだけど、どうしたのだろう?

『何?』

「最近…といっても昨日と今日だが、僕の名前を呼んでないよね。わざとかい?」

言われてギクリとした。
え、気づいてたの…?

『えー?そうかなぁ?気のせいだよ。』

とりあえず、そうはぐらかそうとしたけれど

「気のせいじゃない。」

と少しだけ低くなった声に身の危険を感じる。

あ、これ怒ってる。
赤司様怒ってらっしゃるよ。これ。

「僕の名前を呼べ。」

『嫌だ!』

気がついたらそう廊下で叫んでいて
私は、『あっ…』と声を洩らした。

野次馬がなんだなんだ?と
私たちを見ている。

問題はそこじゃない。


どんどん冷たくなっていく彼の目。


赤司くんの視線がどんどん冷ややかなものへと
変わっていく。

違うよ!嫌じゃないよ!
本当は名前呼びたいんだよ!
だけど、言えないの。
もう呼べないの。赤司くんのこと。
名前呼んだら、私、消えちゃうの!!

そう言えたらいいのに。

「そうか。嫌か、呼ぶの。」

そう発した彼の声はとてもとても低くて。
背筋が凍るのを感じた。

だけど―――


『これには理由が…!』

「理由?なんだ?」

『それは……』


――言えない。
理由を言っても私は消えてしまう。


増えていく野次馬。
好奇心を含んだ目が私の身体を刺す。


――見ないで。そんな目で見ないで。


私の目線はどんどん下がっていった。

29 PM0:42→←29 AM 9:13



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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ   
作品ジャンル:アニメ
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時

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