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23 PM 1:32 ページ43

私が彼に近づくと
寝ていた彼はうっすらと
目を開けた。


「…あん?A?…目ぇ赤いぞ。どうした?」

『…なんでもないよ。…さつきちゃんは?』

「さつきは部活だ。」


…あの後、一応泣き止んだんだけど
やっぱり泣いた後の顔で文化祭をまわるのは
気が引けて。
緑間くんにお土産を託して私は2人と別れた。


後のメンバーは再来週の土日に
まとめて会いにいく予定だ。


だから、新幹線が来る時間まで。
目の腫れがひくまで
そこら辺をぶらぶら歩いていようと
散策していたんだけど…

『…青峰くんは部活行かないの?』

「まぁな。」

公園のベンチで寝転がっていた
青峰くんに遭遇したのだ。

「お前、来るの再来週じゃなかったのか?」

『紫原くんと…緑間くんは今週会う予定だったの。』

「ふーん。」

聞いてきたわりに然程興味がないようで。
青峰くんは

「ふぁ〜」

と言いながらあくびをすると

「つまんねぇ。」

と呟いた。

『バスケ…すれば良いのに。』

「あ?」

『…なんでもない。』

私は言葉を濁した。

青峰くんは帝光バスケ部の中で一番
バスケのことが好きだったと思う。

だけど、あの日……
青峰くんの才能が開花してから
青峰くんは…………

『ねぇ。』

「…ん?」

『バスケ……楽しい?』

「何テツみたいなこと聞いてんだ?」

青峰くんの相棒だった黒子テツヤくん。
黒子くんは、変わってしまった相棒を
どんな気持ちで見ていたのだろう?


青峰くんは結局、この質問には
答えてくれなかった。


だけど、もう一問。
これだけは答えてくれたんだ。

『ねぇ、青峰くん。』

「まだあんのかよ…?」

『これで最後。……もし、だよ。もし、突然さつきちゃんが何も言わずに青峰くんの目の前から姿を消したら、どう思う?』

「はぁ?さつきが?何言って…『答えて!』」


これは青峰くんにしか聞けない質問だった。

もちろん、私と赤司くんは
さつきちゃんと青峰くんじゃない。

だけど……聞いてみたかった。


「なんでそんなありもしないこと…」

質問を受けた青峰くんはちょっとだけ
困っていて。

「そうだな…苛つくんじゃねぇの?」

暫くしてそう答えた。

『…苛つく?』

「何で?がつくんだよ!?苛つくだろ!普通に考えて!あとは…」

『あとは?』

「悲しむだろうな。」

ゴロリと寝返りをうったため
その表情は分からない。

でも

「悲しいよ……誰でも。いなくなれば。」

青峰くんの口から発されたこの言葉は
悲哀に満ちていた。

22 AM 2:21 赤司side→←23 PM 0:23



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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ   
作品ジャンル:アニメ
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時

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