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「あれ、シュウの所にいなくていいのか?」
「無理矢理連れてこられただけなんで、皆さんの特訓を見学しとこうと思って」
「…別に構わないが、湖に落ちないようにしてくれよ」
あの後分かれて特訓を始めた雷門だが、何故だかシュウは松風に個別で指導に当たっていた。
どうせ後で呼ばれることを察知した私は、他のメンバーの分析を先に済ませることにして、まず手始めにキャプテン、神童の様子を見にきたわけである。
「変わった特訓ですね、これ」
「蔦を使ってる君達の特訓も相当だと思うけど…」
「あんなの普段からしてたら身が持ちません、シュウだけです」
神童、霧野、車田、風丸一郎太は、この島の湖の蓮地帯で、通れるルートをいち早く見切る特訓を行っていた。
「先程の事だけど…君はマネージャーなのに、あんな動きができるのか?あれなら選手としても充分なのに」
「あの腹黒キャプテンに着いていくのに必死になってたらあれくらい出来ますよ」
「…大変だな」
霧野が探るように問うてきたが、すらすらと嘘を紡ぐ。…いや、嘘とも言い切れないだろう。
あの野生児に食らいついてきたことで、ゼロメンバーの身体能力が上がったとも言えるのだから。
「じゃあ私は見とくので、頑張って下さいね」
「ああ」
神童は私から目を逸らすと、助走をつけて湖へと飛んだ。
珍しい、面白い特訓だ。蓮をDFに見立てて、素早くルートを定めることで選択眼を育てるのが狙いだろうか。
この3人はDFとMF、そしてMFとFWの中継であるだろうし、ぴったりの特訓と言える。…本当にこれだけで私達に勝つ気でいるのかは、甚だ疑問ではあるけども。
ーーー
「こんにちは〜」
「やぁ、五月雨さん。話は聞いてるよ」
「どうも。…サンドボードで鍛えるんですか…?」
「スピードに体を慣らす特訓だよ。一緒にどうだい?」
「遠慮しておきます」
次にやって来たのは砂漠地帯。吹雪士郎の特訓だ。剣城、錦、影山がいるあたり、FWの…相手のDFを突破する特訓だろうか。
砂場なんて走り込みくらいしかしてこなかった私からすれば、とても新鮮なものだ。牙山にはこんな遊ぶような訓練の発想はないから。まぁやらないんだけど。
「あ、貴方は…!」
「おう、おまんか!なんじゃなんじゃ、偵察か〜?」
「…何故に土佐弁…?」
砂山の頂上で話していた私達のところに、ボードを担いで上がってきたのは錦と影山。錦は私の姿を見たかと思うと、がはは、と豪快に笑いながら肩を叩いてくる。
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作者名:わらびもち | 作成日時:2020年8月18日 23時